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りそうのせかい改

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50歳の青春

東京来てから、通勤が単車ではなく電車+バスに変わったので、貴重な「読書の時間」が確保されるようになりました。

これがなかなか楽しみでして。


転勤してまだ1ヶ月半ですが、けっこういろんな本を読みましたよ。
乗車時間は行き帰り合わせても20分足らずですが、これだけあれば割とたくさん読めますし、かなり気になる本の時は、休憩時間を使って読み進めていたりもします。


ちなみに私は戯曲や小説などの創作物語を自身で書いているくせに、読む本はほぼ小説ではありません。(笑)


今年の初めあたりから、自分の中での数年ぶりの読書熱が再点火しいろいろ読んでますが、小説は2冊程度・・・。
後はだいたい、実用書の類ですね。
片付け関連、朝活、仕事の効率を上げる本、手帖を手作りする本、少年犯罪、親子関係修復の本、子育て法、超勉強法、人生設計、終活に近いやつとか・・・・・そういう類の本を、1ジャンルにつき5冊くらいのペースで読んでいます。


会社でも、本を読むという話になると「どんな本読まれるんですか?」と聞かれますが、あれって何故か小説を前提として聞いてくる方、多いですよね?
みなさんも、経験無いですか?
「ジャンルは何? ミステリー?」みたいな感じで、ハナから小説と決めつけ系で。(笑)
あれ、何故でしょう。
小説読んでる人の方が、読書家の中ではポピュラーなんでしょうか。


「あ・・・小説はあまり読まないんです」と答えた後、じゃあ何読んでるの?と聞かれたら、うまく答えられなくて結構困ります。
実用書系です、片付けの本とか勉強法の本とか・・・と言って、お茶を濁します。


 


そんな中で、きょう読んだ本は、数年前に本屋で見かけて気になってた本。
昨日、古本屋で見つけたので買って読みました。


ソープランドでボーイをしていました
玉井 次郎 (著)

これは、筆者・玉井さんの体験談の本。


中年になって株にはまり家族に内緒で会社を辞めて投資家になるも2年で失敗し、更にそのあと東日本大震災で職を完全に失い、家のローンだけが残ったときに、月給の高いソープのボーイの求人広告を見て上京し、同僚と同居の寮に住み込みで始めた50歳の新人の物語です。

上下関係に厳しく、だいぶん年下の先輩に理不尽に怒鳴られたり、中年でなくてもキツすぎる労働条件の職場のこと、そんな中で優しくしてくれる泡姫、同居人でもある同僚との家での小宴会、帰省時に再確認した奥様との愛・・・・・など、読み応えのあるエピソード満載です。


ソープの話しですが、主役の目線はボーイなので特にエロや下世話な話は出てきません。


ご本人も最後に「青春」という言葉を使っていますが、まさに納得の内容です。
いくつになっても学べることはあるし、人生のどん底に思えてもやり直しはきく。
そう、思わせてくれる、明るい良書でした。



・・・・・


他人の人生を覗き見るのは興味深くて面白いものですが、私はこのタイトルを見た時にふっと思い出したことがありまして。


わたしの人生に結構な衝撃を残してくれた、学生時代のバイト仲間・同い年の後輩イシハラくん。
彼のことを思い出しました。


イシハラくんは当時私と同じハタチ。
中学卒業してから一家の大黒柱として働いていて、でも職を転々としていたときに、つなぎのバイトでうちの店(コンビニ)に入って来た子でした。
やんちゃな雰囲気だけど、礼儀正しくて黒髪の青年。
バイトに入った経緯は、既にウチの店のバイトで入ってた人からの紹介ということだったのですが、年の違う彼らの共通点は雀荘仲間として知り合ったということ。


イシハラくんは麻雀がてんで弱くてぜんぜん勝てないのに、いつも仲間内に居るらしいです。
でもパチスロでは割と出していて、1日で24万円も勝っている日もありました。


コンビニ在籍中に母を自殺で亡くし、喪主で葬儀をあげたあと遅れて仕事に来たときはびっくりして掛ける言葉もありませんでした。


いつも感情を見せず、人懐っこい愛想のいい顔で真面目に働いていた彼。


職が決まってつなぎのバイトだったコンビニを去った彼ですが、半年後くらいに風の噂でイシハラくんがソープのボーイをしていると聞きました。


その事を、思い出したのでした。


 


イシハラくんは、元気かなぁ。
結婚して、子供がいて、家族で仕合わせにやっていればいいなぁ。


 


ソープには、泡姫もボーイも、事情ありな人が集まっているんですね。

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