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現場仕事と仲間のこととか、たまにイデオロギー的なことをつれづれに。 読んだ本、すきな音楽やライブのことだとか。 脈絡無く戯言を書き殴る為の、徒然草。

沢村さんは見た目が幼い。(らしい)

「ねぇ、沢村さんって、何年度入社なの?」
「あ、同期やで、私たち」
「えっ・・・?!」
 隣の課のフクドウくんがきょとんとした顔をする。
「ははっ! 後輩やって思ってたやろ?」
「ウン。あっぶねー! 聞いといてよかったぁ! けっこー下だと思ってたから、エラそうにするとこだったよ」
「いいんじゃない? 同期なんだから。私って、カンロクないからよく年下に間違われんだよねー」
「え、単に見た目の若さじゃない?」
 フクドウくんはさらっと言ってのけた。
 そうか。見た目若いのか、やっぱ。
 なんかジブンで「見た目が若いらしくて~」というと嫌味っぽいから「貫禄が無くて」と言うようにしてるけど、このセリフはもう色んな人から10回以上聞いたし、フクドウくんのあまりにもサラっと言った返しが自然だったから、信じた。
「あ、同期ならオレの課に多いんよ、カジキとか、ナンバラとか、ムカイとか! あいつらぜってー知らねえよ! 絶対後輩だと思ってるよ!」
「いや、みんな知ってるよー。フクドウくんと喋ったのが最後だよ」
「えー?! 知らなかったのオレだけかよ!? 何であいつら教えてくれなーんだよ、クソっ!」
 私は笑った。
 クールな人だと思っていたのに、喋ってみるとフクドウくんは案外面白くてお喋りだ。
 で、わたしはサンダくんのことが益々気に掛かった。出来れば今日中に言いたい。

「ごめんね!」
 仕事終わり。事務所でパンフレットコーナーを前にだらだらしているサンダくんに、わたしは意を決して声を掛けた。
「え? 何が・・・デスカ?」
 ぎこちない喋り方のサンダくん。
「あのさ、キミ、私のこと勘違いしてたやろ?」
「と、言いますと?」
「と、年とか? 入社年度とか」
 ギクリ。
 そんな効果音が聞こえそうな表情。
「・・・そうですね。してました。まさか年上だなんて思ってなかったので。でも、いきなりタメ口止めるのもおかしいかなーって思って、ヘンな喋り方に・・・ゴメンナサイ」
 ものすごく気まずそうにしているサンダくん。わたしは騙してしまったみたいで、逆に申し訳ない気分になる。
「あのさ、早く言わなくてゴメンね! サンダくんの代の子たちって、もともと私に敬語使わないコも多いから・・・あ、ホラ、9課のナノとか! あの子あなたの同期だよね? 知ってる?」
「あー、判ります。」
「あんな感じで、フランクに喋るタイプの子なのかなーって思って、放っておいたの。ゴメンね?」
「いや、大丈夫、デスよ。オレ、元々フランクなので!」
 そういうサンダくんは、以前の親しげな感じと違って随分喋りにくそうだ。


「あの、実は気付いたの、12月なんですよ」
 共同パソコンで社内メールを確認していたら、突然背後から声を掛けられた。
 サンダくんだ。
「ホラ、沢村さん、休憩室で年末調整の書類書いてたでしょ? あれの生年月日見て、あれ?この人おれより年上じゃん、って気付いて」
「そーなの?」
 12月というと、もう2か月も前だ。
 私は、サンダくんが気付いていることに、きょう気が付いたというのに。
「おれ、61年生まれなんですよ」
 え。
 ってことは、3つも年下だったの?
 最低でも三十路は越えてると思ってたのに、まだ二十代だったのかよ。
「沢村さん、まだ20代でも全然通じますよー」
 コラコラ、それはお前が自分より年下だって勘違いしてたからだろ。
 世辞行って逃げんな!
 と、言いたいところだけれど。
 私はどうも、この童顔とその他もろもろの幼さとで、転勤してから随分多くの後輩男子たちに気まずい思いをさせてきてしまっている、罪作りの女なのだ。(笑)


・・・・・という、昨日の実話。




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