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りそうのせかい改

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ミシンのビートに乗せて

深夜2時。
先の見えない作業を前に、ただ無心になってミシンを踏む。
焦る気持ちを抑えて、できるだけ静かに、静かに。

きみの唄を聴きながら、真夜中の作業に没頭する。

始まりがあるものには、いつかきっと終わりが来る。

終わったあとは呆気ないものだろうか?
でもそこまでの過程で得る「何か」を求めて、ひとはそれを始めるのだろう。

毎日のように連絡をとっていたあの子とは、もう会うことも無くなるのかな。
毎週顔を合わせていた彼らは、私とは違う世界に戻ってしまうのだろう。
対等に話していたきみとも、もう連絡を取ることもなくなってしまうんだろうな。

それはちょっと切なくて。
でもそれがなかったら出会えなかった人たちで。

人生という細い糸の上では、きっとどこかで繋がっているから。
1年後、2年後、4年後、10年後に、またどこかで会えることを願って。

ミシンを踏む。

むかし、ミシンのビートがロックに似ているという小説を読んだことがあるけど、全然ロックなんかじゃないや。
だって、こんなにも切ない気持ちになるんだから。
きみの唄の所為かな?
あさってになれば、すべてが終わる。
彼らとの出会いも、きみとの出会いも、ぜんぶ泡沫の夢の中に消えるんです。
思い出という名に変えて、いつまでも、いつまでも、きらきらと輝いてくれてたらいいのにな。
そう、願って。

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