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りそうのせかい改

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初体験の話をしたのは、あなたが初めて。

休日。
30度超えの涼しくならない部屋の中で、だらだらと過ごしてしまいました。
何をしてたかというと、主に少女漫画を読み漁ってました。

たまにういう日が来るんですよね。
こう、ガーっと一日漫画漬けになる日が。
正直、ネカフェに行ったほうが快適です。クーラー効いててドリンク飲み放題だし。
ウチはクーラーつけても30度よりは下がりませんから!
部屋の熱効率上げるために日中はカーテンぜんぶ締め切ってるんですが、全然ダメ。部屋が薄暗くなるだけ。
遮光カーテンにでもしないと、あまり意味ないのかも・・・と思い、以前買ったんですが、サイズが合ってなかったのと、何故か2枚組みのうちの1枚しか買ってなくて微妙に使い物にならなくて、結局いまはフツーのやつを付け替えてます。
看護師の同居人が置いていったカーテンをね・・・。

読み漁ってた少女漫画は実にいろいろあるんですが、最後に読んだやつが完結してたし、テーマもすごい考えさせられてよかった。
「リミテッド・ラヴァーズ」(著 山田圭子)ってやつで、女子高生と駆け出しの担当医師の紆余曲折を経た恋愛を主軸にした、夢に向かってたくましく生きる人々の成長記。
主人公の少女はしょっぱなから軽い事故なのに半身不随になり車椅子生活を余儀なくされます。でも、この物語は「車椅子の少女」の物語ではないです。それぞれの人物が、自分の抱えてるトラウマだとかコンプレックスだとかを乗り越えて、本当の友情や愛情や夢や希望を取り戻していく物語なのですね。
主人公の少女は勝気で暗い部分もあるけど結構元気娘で、あまり車椅子の不自由さを感じさせません。でも、些細なことで足が動かないことが足枷になる部分もちゃんと描かれていて、綺麗事だけ並べた物語でないことも読み取れます。


で、全然関係ないのにふと、あることを思い出しました。

ずっと、誰かに聞いて欲しい。誰でもいいから吐き出してしまいたい。
そう思っているような体験って、だれでも1つや2つ、あると思います。
でもこれを言ってしまったらこの人は自分を偏見の目で見るようになるんじゃないか?とか、哀れまれたり同情されてしまうんじゃないか?ってことを恐れて、結局誰にも言えなくて、胸のうちに溜め込んでもやもやしてしまったり・・・。
普段は忘れてしまっているけれど、言う必要も無いけれど、誰かに聞いて貰えたら、楽になれるかもしれないのに。
そういう話が、私にもいくつかありまして。

そんな話を、最近は偏見や、同情や、哀れみや、好奇心なんかでもなく、「私」のはなしとして、ふつうに聞いてくれるひとがいるのです。
リラックスして家のソファーに座って、TVの漫才師に突っ込むようなノリで私の話に大阪弁で相槌を打って。

喩えば、初体験の人の話。
ちょっと変わった初体験をした私は、そういう話題になったときに「相手はカレシじゃなかった」とは言いますが、それを言ったらやっぱり気まずいと言うか聞いたらマズイと思われるのか、さらに追求してくる人もいなかったので、誰にも話したことはありませんでした。

今になって話す気になったのは、たぶん10年以上が過ぎて時効の気持ちが出てきたせいかもしれません。
でも、聞き手が、聞き上手の彼だったからだと思います。

あれは、19の頃。
バイト先の後輩で4,5こ年上の年配大学生だった男の子がその人物でした。
彼は外面が良くて店長やパートさんからの信頼は絶大だったけれど、私はいち早くその人の陰の部分を見抜いていて、それを疎ましく思っていました。
兄弟の末っ子で、地元有名高校を出ておきながら一旦は就職して3年お金を貯めて、それから大学に入学したという経歴も、大人たちから見れば「偉いわねぇ」と好感度を上げる材料のひとつでしかない。
でも私は、彼が地元のチンピラから打ち子の仕事を貰ったり、雀荘で代打の依頼を受けたりするような闇の世界に片足突っ込んでいる人物だと知っていました。
そんな彼がターゲットに目を付けたのが私だったのです。
彼は異常に「19歳、処女」の肩書きに執着していて、もちろん私のことなんか見ていないし、何か理由がありそうでした。彼の言い訳の常套句が「今でも好きな別れた元カノが当時19歳だったから」というもの。
つまり19歳じゃなくなったらもう私に興味なんて無くなるんでしょ。という冷めた考えが直ぐに浮かぶようなセリフを言う男だったので、そんなくだらないことに付き合っている暇はない。と割り切っていたのですが。
あるとき、知ってしまったのです。
そいつがまだ童貞やった19歳のとき。旅行先の都会で事件に巻き込まれ拉致監禁され、ホモ野郎に掘られたことを。
それを言った彼は、本音をぶつけてきました。

「ホモなんてみんなエイズに感染してんやら?! 俺もどーせエイズなんや。俺の人生に先なんかあらへん! 世の中に仕返ししてやるんや! 19歳の処女の子ぉーとヤりまくって、みんなエイズに感染したらええ!」

「・・・そんなこと、ホンマに思ってんやったら、あんたはアホで愚かや。ひとつ、約束してくれたらあんたに処女上げてもええわ。ウチがお前のその妄想に付き合ったるさかい、ウチで最後の女にせぇ。それで、セックス終わったら一緒に病院の検診受けに行くこと!!」

これが、私の真実の初体験の物語。
この後本当にセックスして、反応が出る期間を経てからふたり別々だけども病院で検査を受け、彼は感染してなかったことを証明出来たのでした。

私は、彼をネガティブ思考と感染の恐怖の淵から救えたかもしれません。恋は、なかったけれど。

そんな話を30になって初めてしました。
何気ない会話の流れで、「あ、そーいえば」という感じで。

トラくんは気まずい空気なんかを持ってくることなく「初Hで身体張りすぎやろっ!!」とふつうに突っ込んで「で、結果は陽性やなかったんやろ?」とふつうに返してきました。
「もちろん。だから今こうしておるんやん?」て笑ったけれど。
あんた、すごいなぁ。こんな話聞いて、引かずに居られて、同情とかやない、ふつうのコメント出せるなんて。
そういえば、こないだの時もそうや。
幼少期の親の話やこの声のこと。聞いても全然ふつうやった。
と、驚いて感心してたら彼はケロッとした顔で答えたのでした。
「だって沢村さんが、ふつうやから。別に不幸そうな顔してへんやん?」
・・・そっか。
なるほど。納得。でも、それって、すごい。

だいたい、ふつうの人はこんな話題が始まったら「ゴメン、重い話はちょっと・・・」とか言って避けたり「そっか・・・苦労したんだね」と同情しだしたり「苦労自慢出たよー」と敢えて茶化したりするんだけど、そのどれにも当てはまらない反応をするひとが居たなんて。

トラオは、私の家のソファーに座ってチューハイを飲みながら、何気ない日常の話をする時と同じノリと表情で私の話を最後までちゃんと聞いてくれる。

それで、頭に触れることなく「ええからこっち来て隣座ってぇや。寂しいやん?」と笑うんです。
・・・彼が、頭に触れない理由が、私の思っている意図と同じかどうかは判らないけれど。
触れないことが、同情でも愛情でもないことを物語っているようで、私はひどく居心地がいいのですよ。

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