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りそうのせかい改

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姫武将ものにハマりました。『花修羅』『ぼんたん!!』(漫画)

何故か急に、姫武将ものにハマりまして。
(元々、時代劇系統はすきなんですけどね。チャンバラよりは主に人情ものに)
先月・1月の内に読んだもの2つの記録と紹介をここに。(ちょいネタバレ含みます)




「戦国美姫伝 花修羅」(カシュラ)
著作:山田圭子

戦国時代、“北の京”と呼ばれ、栄華を誇る越前雪代谷の姫・六花は、琥珀という忍と出会う。そして2人の出会いは戦国の世を動かすことに…!?

全8巻。長すぎず短すぎず、ちょうどよい長さで完結していて読み応え感たっぷり、満足な少女漫画でした。
初登場時の1巻で六花姫は10才くらい、お付きの忍び・琥珀は12才くらいの設定だったと思いますが、3巻くらいで六花15才、琥珀17才くらいに成長していたと思います。
このお話は架空の戦国の姫武将の物語ですが、実際に戦国時代には「姫武将」であった戦の大将の女性が何人も記録に残っていますし、この六花姫も彼女たちをモデルにして描かれているんだろうなぁ・・・と勝手に思いながら読んでいました。

主人公の六花姫は初期の段階で姫じゃなくなり、一旦故郷を離れて旅に出ます。旅先で庶民以下の暮らしや苦労を体験し、成長してから地元に戻ってきて武将になるのです。
放浪時代に織田信長による比叡山の焼き払いに巻き込まれたり、その後武将になってから実際に信長に会ったりもして、史実もちょくちょく挟みながら物語は展開していきます。
少女漫画ですが、六花ちゃんが元々わんぱく過ぎて(お転婆、なんて可愛いもんじゃない。)中盤超えるまで恋愛要素はほぼゼロです。
ヒーロー的立ち位置の異人さんとの混血の少年乱波・琥珀くんの一方的な片想いでずっと続きます。
そして少女漫画お決まりの唇奪われるシーン(キスと言え。)が結構後半にあるのですが、「女」ではなく「武将」として生きている六花は屈辱を受けた様に感じてしまい、怒るのです。
「お前はいま私のことをその辺の女と同じように扱った!」と。
琥珀はすぐに「悪かった。もうしない」と猛反省しますが、そこがちょっと悲しいですね。
でもこのシーン、「あ。これ、なんかすごく判るな。ウン。」と、思ってしまいました。私。
私は戦国時代じゃないですけど、男社会に生きていて、重い荷物を運んだりしている時に仲間(しかも後輩とか)に「持ってあげようか?」的な態度取られたら「一人前扱いされてない!」「バカにされた!」と感じてしまうのですよ。勿論、相手にはそんな悪意はなく善意で言ってくれていることは重々承知なんですけどね。そのあたりの心情に重ね合わせて、ちょっと共感。(笑)

最後は幸せな気持ちにはなれる物語でしたが、多くの犠牲の上にみんなの平穏が成り立っていることが目を逸らさずに描かれていて、結構ツライシーンも多い物語でした。
戦国モノなんでそれで当然だとは思いますが。
個人的に物悲しくかっこよかったヒーロー(ヒロイン)は、乱波のユリ。
琥珀の仲間で腕の立ちそうなまだ幼いくノ一の少女でしたが、死に様が凄まじかったのですよ・・・。
負け戦と判って囮にされた殿戦の最後の夜、彼女は想いを寄せてた琥珀の寝床に逢引きに行くのですが、昔の思い出からあまり仲間を信用できなくなってしまっていた琥珀はそれを拒絶。微妙な空気のまま別れて翌日は勝ち目のほぼない殿戦へ。戦中、負傷した彼女の手を引き離さないという琥珀に、彼のお荷物になりたくないユリは自分でその腕を切り落として彼の背中を押すのです。「きのう言ったことは本当だよ。信じてね」と言い残して・・・。
切なくて、悲しくて。でも、物凄く潔くてかっこよかった!!
こんな戦い方がよくないことはのちに乱波仲間でも議論されている様子が描写されていて、物語の展開的にはとても重要で必要なシーンでした。

個人的に、時代劇もの戦的シーンで好きなのはサムライよりは乱波(忍者)の方が好きな人間なので、両方の戦闘シーンが平等に出てきているのは有り難かったです。

この物語の主人公・六花は「武将」という立ち位置でその役割は一切妥協せず・崩さず、でもいわゆる男装などをするでもなく素性も明かしたまま「女性の武将である」という前提で物語が進んでいるお話でした。
この時代は男女の差よりも身分の差の方が重んじられていたでしょうから、「〇〇城の姫である」という事実があった方が上に登れたんだろう、武芸に長けていれば大将になることも、それは割とありなんだろうな、と思いました。

姫武将×乱波(忍者) という組み合わせに魅力を感じた方は、ぜひオススメ!




「姫武将政宗伝 ぼんたん!!」 
著作:阿部川キネコ 
時は戦国。奥州・伊達家では、長子の梵天丸がすくすくと育っていた。だが伊達家には、近隣諸国に聞かせられない秘密があって……。なんと梵天丸は女の子だったのだ!

こちらは全5巻。主人公は伊達政宗。史実の人物のパロディモノ?!です。
ギャグテイスト満載、でも戦国モノなので戦いのシーンはシリアスです。

梵天丸が女の子なのに男と偽らなければならなかった理由や経緯などが、わりと納得いく解釈で書かれていて面白いです。
そしてこちらの姫もちっちゃいころからわんぱく!そして、エロ小僧!!(笑)
女だけど女たらしで、嫁にきた愛(めご)姫とけっこういちゃいちゃ・ちゅっちゅしていて面白いです。
でもビアンな方という描写ではなく、人とのスキンシップを取るのが好きということで、男にもちゅっちゅして気味悪がられてたり。(笑)
伊達政宗さんは高齢まで生きられた方なので、最終巻はまだ二十歳とちょっとくらい、まだまだ人生の序盤、といったところで終わりますが、面白く読めて良かったです。

名前は有名なお方なのでうっすらとは知っていましたが、今回をきっかけに伊達政宗を知れてよかったですし、今度はふつうの伊達政宗の物語もどっかで探してみてみたいと思いました。
映画でも漫画でもなんでもいいので。


こちらはタイトルに「姫武将」と書かれていますが、作中は女性であることを隠して武将をやっている設定なので、正確には「姫武将」ではない気がします。ふつうに男として生きている、という設定なので。




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姫武将、と言えば木曽義仲の妻「巴御前」ですが、小学校の時に教科書で知った平家物語(でしたけ?)の巴御前の戦闘シーンの描写はめっちゃかっこよくて、すごく頭に残っています。

また、史実の姫武将をモデルにした物語などあれば読みたいですw

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