忍者ブログ
現場仕事と仲間のこととか、たまにイデオロギー的なことをつれづれに。 読んだ本、すきな音楽やライブのことだとか。 脈絡無く戯言を書き殴る為の、徒然草。

新しい生命の誕生と、恋と気持ちの定義

昼休み。
更衣室の方向へ向かう同期セイちゃんとすれ違った。
目があったとき「オレ、早退するわ」と言うので「何?調子でも悪いんか?」と言ったら「もーすぐ子供生まれるって連絡きたから」と。
あぁ、どーりでそわそわした顔してんだ。
調子なんてちっとも悪くなさそうだし、そういうことか。
私は蔓延の笑みで両手を振って見送った。



「喜ばしいコトなんすけどねー。これでまた飲み友がひとり減ったかと思うと、ちびっとユウウツですわー・・・」
「何言ってんの。まだミケがいるじゃん」
「ミケも、時間の問題だと思いますよ。きっと来月頃にはあたしの相手なんかしてくんなくなるんです」
「へー、来月子供生まれるんだー」
「なわけないじゃないっすか! カノジョだっていないのに!」
「なら、いいじゃん。またミケ誘って飲みに行けば」
「でもカノジョ出来たらあいつの性格的に他の女と飲みとか行けなくなると思うんで・・・」
「でも沢村はカレシとか要らないんでしょ。じゃ、しょうがないんじゃない?」
「まぁ・・・。そーですケド。ひとりになると淋しいっていうか・・・」

昼休み明け。
体操しながら、いつも食事休憩を一緒にしているとなりのM課のケーさんと駄弁る。
ケーさんの意見はいつも客観的で、私情が挟まれていなくて、中立で、そしていつも正しい。
無表情で、淡々と喋るケーさんとは、仕事は一緒にしたことは殆ど無いけれど、どことなく私の仕事っぷりを認めてくれていて、「だいじょうぶ。沢村はやれば出来る子だから。」と私に言って、周りに吹聴してまわる。
8つ上の、憧れのセンパイだ。



「こんな狭くて暗い場所で何やってんスか、ふたりとも」
「おぉ、照明!さすが沢村。気が利くねぇ」
「明るい職場に明るい家庭!これ基本です」
「は?明るい職場?ドコのこと??」
「荒んだ職場のマチガイじゃないっすか?」

狭い現場で、7つ先輩のオニさんと後輩のミケがごそごそとやっていたので、電気を持って入った私に、ふたりが淡々と突っ込む。

「で。なんで私がわざわざこんなことしたのか、想像つきますよね?」
「慈愛心からでしょ。」
「お察しのとおり、ちょっと手伝っていただきたい作業がありましてぇ・・・」
「あー!転がした!どっかいった?!オレの工具がないー!」
「・・・何やってんの、アンタは。足元とかよく見てみなよ」
「ないっす!わー!!痛っ!足攣った!!」
「ホラ、そこのツールボックスの中にあんじゃないの?」
「・・・あ、あった。まだ出してなかった。」
「じゃ、そーゆーコトで。オニさん、2分くらいミケ借りて行きますね」
「ミケ、肉食獣に食われんじゃねーぞ・・・!」
「大丈夫っす!オレ、ガード硬いんで!」
「あたしは草食動物は食わない主義なんだよ!」
「え?肉食動物の主食は草食動物なんじゃねーの?」
「そーなんですか?」
「そーですよー」

アホな会話をしながら、ミケを連れて仕事のサポートを頼む私。
仕事前。
廊下ですれ違ったときの会話を思い出す。

「ミケ! ・・・今月、試験とかあんの?」
「いや。無いっすよ。審査は来月っすね」
「ヒマだったら、付いてきてほしい場所があんだけど」
「ドコっすか?」
「けっこう遠いよ」
「別にいいですよ。今月なら、暇なんで」
「・・・ひとりじゃ、勇気が出なくて」

いつだってそうだ。
ミケは、行き先や要件はあまり深く聞いてこない。
ただ、いてほしい時、傍についててくれる。
もう随分と、何年も、前から。



『男の子って、気持ちなんかなくっても、キスとかするもん?』
『まぁ、するんじゃないの。』
『そうですか。するんですか。気持ちないんやったらええねん。悩み損した。』
『? まったく無いとは言えない。身体だけ目的ならわざわざキスしないし』
『なにそれ。言ってること矛盾してない?気持ち入ってなくてもキスはすんでしょ? なのに身体目的ならキスしないってどーゆう心境なわけ。キスなんてセックスする前の流儀みたいなもんなんじゃないの』
『人によるでしょ。だいたい少しでも好意がないとセックスしたいと思わないでしょ』
『そんなもんか? ・・・詰まらない話題振って時間取らせた。悪かったな』

それは、10年前の私への言い訳のつもり?
それとも、純粋な、単なる客観的意見?
 
あんたの奏でるブルースギターは、今も昔も、難しすぎて私には理解できないよ。
 


一日のうちに、こんだけ親身に接することが出来る男の人たちが周りにいても、 
三十年間、どーしようもなく、
わたしはひとりなのです。

拍手

PR