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りそうのせかい改

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新しい生命の誕生と、恋と気持ちの定義

昼休み。
更衣室の方向へ向かう同期セイちゃんとすれ違った。
目があったとき「オレ、早退するわ」と言うので「何?調子でも悪いんか?」と言ったら「もーすぐ子供生まれるって連絡きたから」と。
あぁ、どーりでそわそわした顔してんだ。
調子なんてちっとも悪くなさそうだし、そういうことか。
私は蔓延の笑みで両手を振って見送った。



「喜ばしいコトなんすけどねー。これでまた飲み友がひとり減ったかと思うと、ちびっとユウウツですわー・・・」
「何言ってんの。まだミケがいるじゃん」
「ミケも、時間の問題だと思いますよ。きっと来月頃にはあたしの相手なんかしてくんなくなるんです」
「へー、来月子供生まれるんだー」
「なわけないじゃないっすか! カノジョだっていないのに!」
「なら、いいじゃん。またミケ誘って飲みに行けば」
「でもカノジョ出来たらあいつの性格的に他の女と飲みとか行けなくなると思うんで・・・」
「でも沢村はカレシとか要らないんでしょ。じゃ、しょうがないんじゃない?」
「まぁ・・・。そーですケド。ひとりになると淋しいっていうか・・・」

昼休み明け。
体操しながら、いつも食事休憩を一緒にしているとなりのM課のケーさんと駄弁る。
ケーさんの意見はいつも客観的で、私情が挟まれていなくて、中立で、そしていつも正しい。
無表情で、淡々と喋るケーさんとは、仕事は一緒にしたことは殆ど無いけれど、どことなく私の仕事っぷりを認めてくれていて、「だいじょうぶ。沢村はやれば出来る子だから。」と私に言って、周りに吹聴してまわる。
8つ上の、憧れのセンパイだ。



「こんな狭くて暗い場所で何やってんスか、ふたりとも」
「おぉ、照明!さすが沢村。気が利くねぇ」
「明るい職場に明るい家庭!これ基本です」
「は?明るい職場?ドコのこと??」
「荒んだ職場のマチガイじゃないっすか?」

狭い現場で、7つ先輩のオニさんと後輩のミケがごそごそとやっていたので、電気を持って入った私に、ふたりが淡々と突っ込む。

「で。なんで私がわざわざこんなことしたのか、想像つきますよね?」
「慈愛心からでしょ。」
「お察しのとおり、ちょっと手伝っていただきたい作業がありましてぇ・・・」
「あー!転がした!どっかいった?!オレの工具がないー!」
「・・・何やってんの、アンタは。足元とかよく見てみなよ」
「ないっす!わー!!痛っ!足攣った!!」
「ホラ、そこのツールボックスの中にあんじゃないの?」
「・・・あ、あった。まだ出してなかった。」
「じゃ、そーゆーコトで。オニさん、2分くらいミケ借りて行きますね」
「ミケ、肉食獣に食われんじゃねーぞ・・・!」
「大丈夫っす!オレ、ガード硬いんで!」
「あたしは草食動物は食わない主義なんだよ!」
「え?肉食動物の主食は草食動物なんじゃねーの?」
「そーなんですか?」
「そーですよー」

アホな会話をしながら、ミケを連れて仕事のサポートを頼む私。
仕事前。
廊下ですれ違ったときの会話を思い出す。

「ミケ! ・・・今月、試験とかあんの?」
「いや。無いっすよ。審査は来月っすね」
「ヒマだったら、付いてきてほしい場所があんだけど」
「ドコっすか?」
「けっこう遠いよ」
「別にいいですよ。今月なら、暇なんで」
「・・・ひとりじゃ、勇気が出なくて」

いつだってそうだ。
ミケは、行き先や要件はあまり深く聞いてこない。
ただ、いてほしい時、傍についててくれる。
もう随分と、何年も、前から。



『男の子って、気持ちなんかなくっても、キスとかするもん?』
『まぁ、するんじゃないの。』
『そうですか。するんですか。気持ちないんやったらええねん。悩み損した。』
『? まったく無いとは言えない。身体だけ目的ならわざわざキスしないし』
『なにそれ。言ってること矛盾してない?気持ち入ってなくてもキスはすんでしょ? なのに身体目的ならキスしないってどーゆう心境なわけ。キスなんてセックスする前の流儀みたいなもんなんじゃないの』
『人によるでしょ。だいたい少しでも好意がないとセックスしたいと思わないでしょ』
『そんなもんか? ・・・詰まらない話題振って時間取らせた。悪かったな』

それは、10年前の私への言い訳のつもり?
それとも、純粋な、単なる客観的意見?
 
あんたの奏でるブルースギターは、今も昔も、難しすぎて私には理解できないよ。
 


一日のうちに、こんだけ親身に接することが出来る男の人たちが周りにいても、 
三十年間、どーしようもなく、
わたしはひとりなのです。

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一頻り反省したら、前へ進む準備をしよう。

空虚な日々を過ごしていました。
ここ2週間ほど。
毎日酒を飲んで、自分の取った行動をひとつひとつ思い返して、後悔と反省を繰り返して。

冷静に、なれる時間が欲しかったんです。
時は足早に過ぎて行って、待ってはくれないけれど、私の時間は緩やかに流れすぎていて、スピード社会に生きる周りの人達に取り残される。

文明の利器を避けて、タイムリーな連絡が取れない状況に敢えてしていて、だから何日も連絡を取らなくても平気で、でもそういう時間を過ごしているのはきっとあたしだけで、でも焦る気持ちが沸かなくて、ゆっくり、ゆっくり、一つずつの出来事を振り返って考察して。

ああ、これは私が悪かったな。
こんな言動は思っていても言うべきじゃないな。
そもそも本当の自分の気持ちなんてひとつも行動に表してないな。
ぜんぶ、傍から見たら裏目に出てるな。
自分が傷つかないために、先に相手を傷つけてしまえば楽になれると思ったのかな。
と、そんなことばかり考えているのです。

仲良くしたくても、大人になってから友人を作るのは難しいみたいです。
「ただ、友達になりたかっただけなんよ」
と言った私に友人は、
「今更友達になんて、ゼッタイなれないよ」
とピシャリと言われました。
きっと、その通りなんだろうな。
はじめから、トモダチなんて選択肢は、そこには存在しなかったのかもしれません。
そこにあったのは、利害関係と需要と供給の一致と、ひと握りの愛情の欠片。
判っていたのに、目を逸らして、
自分が一番傷つかない言葉を選ぶために、10年以上前に自らが言われたセリフを選んで相手に放った。

その言葉で、いま私は、こんなに人間不信になっているというのに。
同じ言葉を、他の誰かに向かって放ったんです。

・・・私は、意気地なしだ。
こんなに自分可愛さで動く人間だなんて、思っていなかった。
まだ、19歳のときと同じ感覚でいるなんて。
もう、31になろうとしているのに。

オトナになんて、自然になれるものではないんだ。
自分が、変わろうとしないと。


どうすれば、傷つけた心を癒せるだろう。
あの子のこころに入る隙間は、もうきっとないだろうけれど。
出来れば私みたいなトラウマを植え付けないためにも、謝罪の機会があればいいのに。

人生とはうまくいかないもので。
運は私に味方してくれていないようで。

もうその手段も、場所も、失われてしまった。



それでも前へ進まなければならない。進むしか、ない。
もう君に謝ることが出来なくても、
この気持ちが永遠に伝わることがなくても。

前へ進むために、気持ちを切り替えなければいけないのだ。


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恋の話をしようか。

日曜日のがらんどうの居酒屋で、30女と28男のひと組の客が喋る。

「で。気付いたら朝になってたってわけですか?」
「違う。すぐ起きたの。エッチはしてないから」
「でも朝まで一緒に寝たんでしょ?」
「まぁ、そーゆうことになるな」
「そりゃあなたが悪いですよ。どこを取っても勘違いさせる要素出してんのアナタですからね」
「やっぱそう?」
「ハイ」
「あーそうさ!あたしが全面的に悪いよ!悪いのはぜんぶあたし!これで満足か?」
「だって沢村さんが悪いでしょ。どう考えても」
「・・・そーだね。」
「中々面白いコトしてますね」
「面白くねーよ!笑うな!」
「沢村さんって、ズレてますね」
「でもたぶん、あたしだって彼のこと、ちょっと好きだったんよ。じゃないと流石に一緒にいないっしょ。」
「そーですねぇ」
「お前のことだってすきだよ」
「すきって言われたら嬉しいですね、やっぱり」
「やろ?」
「ってことに、最近気付きました」
「ん?」
「・・・すきな女の子に、すきって言われたんです」
「おお?!やったやん!」
「でも、フラれたんすよ。遠距離レンアイは出来ないって」
「あー・・・。もっと積極的になれよ。お前は押しが弱いんや」
「積極的に頑張りましたよ!手だって繋いだし、一緒に公園散歩したりして、いい年こいてブランコ乗ったりしたんすよ!」
「判るわー、その気持ち。青春だねぇ」
「もう29ですケドね」
「ま、あたしは全ての手順をぶっ飛ばしたけどね」
「そして何も得ないっていう」
「そうそう。でもね、あたしは手を繋ぐのは一番最後に取っておきたいの。キスやセックスよりも後に」
「ふつう逆ですよね」
「だって、セックスなんて金払えばお店で出来ちゃうわけでしょ。性欲さえあれば誰とでも出来るわけよ。唇だけは守る嬢もいるけど、キスだってオプション料金払えば出来ちゃうわけだし」
「まぁ、そーですね」
「でも、手を繋ごうとは思わないでしょ?」
「・・・そー言われてみれば、そうかも。」
「ほら。だって、目は口ほどに語る、って言うけど、手はもっと気持ちを語ってしまうもんだと思うワケ。体温だって伝わるし、少し緊張して汗ばんだ手、優しく握った握力、ふいにビクッとして力がこもった瞬間。そーゆう機微が、ぜんぶ伝わるんよ?」
「・・・やっぱり沢村さんって、ズレてますよ」
「うん、知ってる。でも、そーいうお前だってあたしのことも、すきなんやろ」
「・・・は?」
「じゃあ嫌いなわけ?」
「キライじゃないですけど・・・」
「じゃあやっぱりすきなんだよ。じゃないと、何年も一緒にいないっしょ」
「それは、そうですね」
「で。四国、いつ行こうか」
「いつでもいいっすよ」
「日帰り?」
「どっちでも。休み合わせますよ」
「彼女、もうちっと押せば落ちると思うんだけどなー。頑張れよ」
「そー思います?」
「男は多少強引なくらいでちょうどいいんだって!」
「あの子はアナタとはだいぶタイプが違います」
「そりゃそーや。でもすきなんやろ?このまま平行線辿っててええんか?もっと頑張れよ」
「・・・そのほうが、後悔しないかもしれませんね。当たって砕ければ、踏ん切りがつくのかもしれません」
「そーだそーだ!」
「そうですね・・・!」
「喩えばいまあたしがアンタに口説かれたら、ひとまず面食らって断るかもしんないけど、絶対心動かされるから!だって、そーいう出来事が起きたら、相手のこと真面目に考えてみる機会が生まれるわけだかんね」
「そうですね!オレ、頑張ります!!」

嵐のような5月が過ぎ去り。
梅雨になった。

これは、日常に戻った証拠だ。
でも、ちょっとだけ、こころが近付いたのかもしんない。
ゆるやかに、ゆるやかに。

奇妙な腐れ縁と信頼関係で結ばれた、ちぐはぐすぎるふたりの、ある夜の会話。















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人生とは、後悔の連続で出来ている。

ひとは、本音と建前を使い分けながら生きている。
でもあたしはこれが苦手で、建前の裏にある本音を読み取ることが出来なくて、出来ないからこそ「それ」が建前なのかもしれないと疑ってみたりして。
その堂々巡りで、疲れる。
もう、疲れたんです。

セックスってのは、魔法だ。
そこに性欲があるのは確かで、その対象は確実に目の前の相手に向けられていて、建前なんかじゃなくってわかりやすい。
その裏に、恋心が隠れてるかどうかなんて、どうだっていいの。
だって、肌に触れたら全て解ってしまうんだから。

体温は嘘をつかない。

正直で、確かにそこに在って、あなたを求めていて、その時だけは他のもの全てがどうでもよくなれる、この世で最強のマホウなのだ。
甘い言葉も、嘘くさいキスも、優しい眼差しも、あたしの名前を呼ぶその声も、ぜんぶぜんぶ、要らない。
本心は、体温が語ってくれるから。
だから偽りの言葉なんて聞きたくないの。
あなたの演技なんて、三文芝居の役者より酷いんだから。


人の縁とは、何でしょうか。
この繋がった縁が偶然じゃないならば、この出逢いに何の意味があっただろう。
あたしにもたらした幸は何?
あなたに訪れた利はあった?
全く意味のない出逢いなんて無いと言うならば、この出逢いにはなんていう名前をつけましょう。


このひとと、仲良くなりたかった。
もっと一緒にいたかったし、もっと話がしてみたかった。
でも、相手はそうは思っていなかった。
居心地の悪い空間で、なんとなく付かず離れず。仲良しごっこをすることにあたしは耐えられなかった。
だから、切ったの。


もっと、解りやすい感情で来てくれたら良かったのよ。
そう。喩えば、性欲みたいに。
裏なんて、読みたくなかったんだから。
あたしに、マホウを掛けてくれたらよかったのに。


人生とは、後悔の連続で出来ているものだ。
きみは気付きましたか。
最後のつもりで放った言葉で、初めてあなたの名前を呼んだことに。
初めてちゃんと、あなたと向き合おうとしたことに、気付いてくれましたか。
その事だけでも、伝わっていればいいのに。
言葉は、ひとの気持ちの0.7割くらいしか伝わらないものらしいから、期待は出来ないけれど。

明日、きみに会ってしまったら、どんな顔をすればいい?
・・・きみは、何て思っただろう。
ちょっとくらい、あたしの言葉で、傷ついてくれたらいいのに。

・・・人生とは、後悔の連続で出来ているものだ。

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地元のライブ喫茶に行く。

最近オープンしたという、いま住んでる地元の駅前にできたライブ喫茶に幼馴染みを誘って行ってきました。

ライブバーなんて、7年ぶり??くらいです。
ずいぶん前に、好きなジャズトリオのライブを見るために一度行ったきり。
今回行ってきたお店は、バーというか、喫茶店でお酒も出すよ、的な場所でしたね。
こういう場所も新しくて新鮮。
入ると、テーブルと椅子が並んでいて、知らないお客さん同士でお喋りしながら、演奏を待つ感じでした。
演奏されるのは、ギター1本で弾き語り的なライブを行う3人のアーティストさんたち。
幼馴染みはちょっと家が遠いので、トリの方の演奏を聴かずにお店を出てしまったのですが、あーゆう雰囲気、かなり大好きです✩
ライブハウスで汗を流すのもいいけど、お酒を飲みながら座って知らない人と一緒に生演奏を楽しむとか、中々オトナな匂いがしますね。(笑)


なんで今回このお店に行くことになったかと言いますと、先日私が主催した芝居で劇場BGMで曲を使わせていただいたミュージシャンの、西田~カリスマ一人っ子~くんから、今度地元でライブやるんで見に来て、とお誘いを受けたからなんです。
曲を使わせて貰っておきながら、よく考えたら居酒屋に流しでギター弾きに来てた時のライブしか見たことなかったので、これはぜひ行かなければ。と思いまして。
西田くんとは家が近所らしくて、けっこうよく鉢会い?ます。昭和レトロな立ち飲み屋的居酒屋で。(てことは二人共趣味がオッサン的・・・?)

普段はパンクバンドのオールスタンディングタイプのライブハウスに行くか、野外フェスにしか行かないので、誘ってくれた彼に感謝です!

彼の曲は私はすごい好みで、初めてお会いしたときにCDを買ってから毎日ヘビロテで聴いてるんですけど、ライブでは新曲をいっぱいやってくれました。
みんなでノリに乗れる明るい曲から、ちょっと切なくなるバラード調の曲までいろいろやってくれたのですが、共通して言える彼の曲の魅力は「飾らない泥臭い歌詞」と「男臭い音色」だと私は思っています。
なんかね、言ってしまえばオシャレな曲ではないのですよ。
彼の声も、透き通るような声、とかじゃなくて、すごく親近感の湧く普通の男の子の声で。
でもそれをそのままで唄っているのが、いいんです。
パンクロックではないけど、そういうパンクな精神が見え隠れしている気がして、パンク好きの私の胸にすごく響きます。
だから彼の曲はずっと聴いていたくなるし、飽きない。

その後、マスターのお知り合いということでわざわざ北海道から遠征してこられた長津宏文さんという方の曲も聴きましたが、こちらの方も凄い素敵でした!
しゃがれた声で不思議な曲を唄う昭和の少年の心を持ったオジサマ、という感じの方でした。(実際に「昭和少年」という曲もやってくれました)
歌詞が、すごく物語調で引き込まれます。そして社会風刺や世間や自分を皮肉った喩えを気付いたらたくさん使われている。
それを、しゃがれ声で唄われるんです。
ナニコレ。
レトロだけど、新しい! 新鮮!!
そういうところがすごい魅力でした。

それはそうと。
ライブ喫茶のお店に入ったらすぐ西田くんが気付いて席に案内してくれたんですが、斜め前に座る彼の会社の先輩に「彼と友達なん?」と聞かれて被せ気味に速攻で「違います!」と言ってしまったときの彼の振り返った顔。
速攻で「あ・・・ゴメンゴメン。いや、友達っていうか、最近知り合った知人です」みたいな感じで訂正しましたが。

違うんですよ。
たいして親しい間柄でもないのに「トモダチです」と答えるのが失礼な気がしたから、否定してしまっただけなんです。
決して悪気はなかった。ごめんなさい。

私、今回お芝居で一緒に企画から携わってくれたアカ氏も4年来の知人ですが、「トモダチ」という単語はどこまで使っていいのかどうか分からなくて・・・。
9年来の知己でプライベートでもそれなりに会っている会社の後輩のミケちんにも「トモダチ」という認識はないです。彼はあくまでも同僚だし・・・。(もしくは後輩)

誰とでもすぐ喋れるし仲良くできるけど、何年も心を誰にも開かないのが、私の特徴なんです。
どんなに一緒にいても、どんなに出来事を共有しても、私が「友達」と心の中で思っている人は、あまりいません。

これも、愛着障害の所為なんでしょうか。
だとしたら、残酷な疾患だな。

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