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りそうのせかい改

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それを、失くさないために。 1

年中、文章を書くリハビリをしている気がします。
一向に長編小説に手を出す気配がないから!(笑) 腕が鈍ってしょうがない。
今度こそ、今度こそ! とは思っていまして、いま書きたい長編小説のためのリハビリをここでしようと思い、ショートショートを書きます。

・・・て、ショートにならずに短編になってしまったよ。
私の悪い癖「話をコンパクトにまとめられず、だらだら長引かせる」が発動です。

このお話は、書こうと思っている長編ものがたりに出てくるサブキャラを主役に持ってきた、スピンオフ作品のつもり。(今のところ)
まだ書いてない作品のスピンオフってなんだよ!!って感じですが、これで自分の気分もそのまだ見ぬ作品に向けて盛り上げられたら・・・みたいな打算です。

で、なんでこのキャラをスピンオフに選んだかって?
それは奥さん(誰?)、読んだら一瞬で判りますよ。
一行目の設定で、すぐにね・・・・・(不敵な笑い。)


※本文は校正後、創作サイト「りそうのせかい」の方に移しました。
 「それを、失くさないために。」1話

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30代女性×10代男子、な恋愛モノにはまっています。(まんが)

最近、三十路女と十代後半男子の組み合わせのラブストーリーにはまっています。

そして、意識してそういう設定の話を読むようにしているのは、いま自分が一番書きたいネタのひとつに、31女と19男が中心的に出てくる話があるから、と言うのもあります。
残念ながら(?)このお話は恋愛モノではなく、大人の「将来の夢」を探す、というストーリーなのですが、それはそれ、これはこれ、ということで。


話は戻って、30代女と10代男のラブストーリー。
なんでそこに需要があるのか、というと、たぶん、将来とか打算とか抜きにして、純粋に恋愛にのめりこめるから、なんだと思います。私もたまにうんと年の離れた若い子と恋愛したいな~と思うことがありまして、それの一番の理由はそこだからです。
結婚のこととか、社会的地位とか、年収とか、体裁とか抜きにして恋したい、って感覚。あと、若い子相手だと、相手には「過去の恋愛の影」が無さそうで、自分のことだけを一番すきになってくれそうなところがいいですよね!(笑)


有名どころで思い浮かぶのは小説・「人のセックスを笑うな」とかレディコミ・「きょうは会社休みます。」ですが、これはまだ読んだことありません。どちらも映像化されている作品ですね。


「人のセックスを笑うな」はいつか映像も小説も読んでみたいと思ってます。「きょうは会社休みます。」は実は1~3巻くらい読んだことはあるのですが・・・ヒーローポジの田之倉くんがなんか急に大人びていて、せっかくの若者設定があまり活かされていないような・・・と思って、私的には好みじゃありませんでした。
わたしの会社の6つくらい下の若い子たち(24さいくらい。話に出てくる彼女さんは35歳)と飲み行ったりして恋愛相談聞いてる感じよりもずっと田之倉くんの方が態度老けてるぞ?!まだ大学生のくせに!背伸びか?大人の女と付き合ってるから釣り合うように背伸びしてるんか?!と。(笑)



と、いうことで。
最近読んだ2作品の感想です。どっちも手軽に読める巻数でよかった。(笑)
そして、この2作品は対照的なストーリーと設定でもありました。
(注・ネタバレあり。)



夏の前日 /青年コミック/著作:吉田基已

甘く切なくもどかしい、ふたりの長い夏の前日。美大生と和服美人の画廊店長が、激しくもつたない恋愛に突き動かされる――。
ちょっと陰のある芸大生・青木哲生と、和服美人な画廊の店主・藍沢晶。
雨の日、突き動かされるように体を繋げた一夜から、激しくも拙い恋愛が始まる。


このふたりの年齢は実は出てきませんので、青木くんはハタチ越えてるかもしれないし、晶さんは二十代後半とかかもしれません。(てゆうか大学4回生だと21か。)
でも、イメージとしては「三十路女×十代男子」な設定です。私の中では。(笑)


晶さんは美人を自覚していて、自分に気のある大学生・青木くんを誘惑して恋の道に引きずり込むような感じです。
若い子と恋をしようとしたのは、やっぱりたぶん、結婚とか打算を考えたくなかったからで、そういう描写も描かれています。

とにかく会話も少なくお互いがお互いを激しく求めあうような描写が多いのですが、実は童貞だった恋愛初心者の青木くんは、本当はもっと晶さんにいろいろ喋りたかったし、イチャラブなこともしたかったみたいなのに、晶さんがそれをセーブしてしまって赦してくれません。
晶さんが青木くんに求めているのは「孤独を好む芸術家の顔」である青木くんであって、「恋人に甘える年下男子」ではないのですよね。
でもきっと、青木くんはそんなイメージ通りの男子じゃなくて、割と普通のハタチそこそこの男の子なんです。きっともっと晶さんに甘えたかったし、甘えて欲しかったし、自分に恋もして欲しかったし、他の女の子を追い掛けている自分に嫉妬もして欲しかったんじゃないかなぁと思います。
このふたりが恋に溺れているように見せかけて、実はふたりとも全然溺れてなんかいなくって、ずっと遠くの違う場所を見ている、というのがこの作品の特徴だと思います。
青木くんが晶さんと恋人関係のような状態になる前から「他の女の子を追い掛けている」描写はあります。実際に追い掛けているわけでは無くて、たまに見かけるかわいい子が気になる、って感じなのですが、そういうのは晶さんを見ていた時にもあって、彼女に対しては、ちょっと違う感覚なんですよね。いつも行く画廊の店主は自分が美人であることを鼻に掛けていて気に障る、って感じ。でもやっぱり身近にいる美人が気になる。そしていつもチラ見していた所為で、当の本人に目を付けられてしまうのです。(笑)


ラストの切ない感じは好きです。
別れを選択したふたりは、誰かと幸せになるわけでは無くて、別れたことによる恋愛的なメリットは無いのですが。
このふたりの関係が長く続かないのは誰の目から見ても明白だったし、ハッピーエンドな終わり方にはならないのは当然なのですが、でもこの終わり方は理想かもしれない。と思いました。
違うところを向いていたり、上辺だけ求めあっているような関係に見えたけど、それは紛れもない「恋」だった。そう、言い切れるふたりはステキです。





わたしは真夜中 /女性コミック/著作:糸井のぞ

今度、一緒に寝てくれませんか?
図書館司書の夜野とばりは31歳、バツイチ。元夫・日暮久志との間に、聖という息子がいるが、今は一人で暮らしている。一人の生活は楽だと思う一方で、家族との暮らしを続けられなかった自分を、時折責めている。ある日、勤務先の図書館で19歳の青年・池端太一と知り合う。明るい池端だったが、なぜかいつも目の下にクマが出来ていた。そんな池端に、突然「今度、一緒に寝てくれませんか?」と頼まれて…!? 不器用な大人達のラブストーリー。


これ、年齢設定がいま自分が書こうとしている話と一緒で、飛びついた作品です。(笑)
結婚経験はあるけど今はシングルな31女と、学生ではなくって親の作った借金返済のためにバリバリ働いている19男子。
私の好みの設定にかなり近くて、楽しんで読みました。


こちらの話は、19歳青年・池端くんは割と年相応な人懐っこさと、年上と付き合っているんだからしょうがない、という背伸び感がいい感じに出ていて好感を持ちました。
対して、31女・とばりさん。この人の「恋愛なんてクソだ」というどこか諦めと達観した感覚と、結婚経験があっても池端くんと付き合うことを承諾しても、自分は恋愛をしていない、という感じが、すごく、すごく私と似ていて、めっさ共感しました・・・!
元旦那・久志が他の女と寝ていた浮気現場に出くわしたとき、嫉妬も怒りもなく「あ、その人の事好きになったんだね。よかったね、好きなひとが出来て」くらいの感じだったり、池端くんが安眠のためにとばりさんと一緒に寝たいと言い始めた理由を恋心とまったく思わず単なる安眠材料の抱き枕くらいの感覚で思っていた辺りが。
私にも思い当たる節がありすぎて・・・胸に刺さりました。(笑)
こうして客観的に物語を読んでいると、判るんですけどね。
池端くんがいちゃいちゃしたくて部屋で寝ずに起きているのに、とばりさんは疲れたでしょ、もう寝ましょう。と彼を寝かしつけようとしたり。
いや、ふつう判るでしょ!確かに働きづめと不眠症で池端くんは性欲とか無さそうに見えるけど、19歳男子なんだから彼女と一緒に寝ていてずっとエッチ無しなわけないでしょ!とかね。


私も時効が発生するくらい昔の話ですが、自分のことを散々追い掛けてきてた男子が急に他の女と寝ている現場に出くわしたとき「は?何で今電話出た?居留守使えよ」と言ったくらいで浮気された、みたいな感覚は持ちませんでしたし、性衝動で床に押し倒してきた年下男子に恋心があるかどうかなんて微塵も考えずに「今日一日くらいなら相手するけど、セフレは勘弁」と言い放ったことを思いだしましたよ。
ま、あの人たちに恋心があったかは甚だ疑問ですが、この物語に当てはめると「男側が完全に振り回されていて切ない・・・」となりますね。(笑)


「とばりには判らんよ」「思い当たりも、しないんだから」と言われるとばりさんは、後から冷静になって考えたら、自分が気付かなかったこと──気付こうとしなかったことに気付くのです。

あと、もうひとつお気に入りの場面がありました。
ぐーぐーと睡眠を取って起きた朝。朝日と鳥の声で目覚めた池端くんが、普段不眠症で悩んでいた池端くんが、まともな睡眠とまともな起床を迎えられて、そして隣にとばりさんが(完全着衣で)すやすやと眠っている姿を見て、本当に幸せそうな顔で、ふっと微笑むんです。
それと、そういう朝に起きた後、布団の上でごろごろしながら池端くんがとばりさんの手首を噛んでいる場面で、冷静沈着なとばりさんは「なんでこの人は私なんかと一緒にいるだけなのに、こんな仕合わせそうな表情をするんだろう」と思う訳なんですが。
こういう恋愛ストーリーにはだいたい出てくる、エッチの時の幸せな瞬間、みたいな描写ですが(エッチしてないけど)。恋的なしあわせの瞬間って、あーいうなんでもない日常に一緒に居られる、居てくれる仕合わせなんだろうなぁ、って思うわけです。
あの、ほんわか、うっすらと微笑む池端くんの表情、すごい惚れます。

こういう男子の表情、わたしも見たことあります。
作った営業用のスマイルや、笑おうとして笑ったわけじゃない、ふとした瞬間の、仕合わせな気持ちが内面から滲み出たかのような、やわらかい笑顔。
恋愛はしてないし、彼のあの表情はきっとわたしに対して向けられたわけじゃないけれど。でも、あの瞬間だけは、わたしの顔を見て彼は微笑みました。ふたりだけしかいない部屋で。
あぁ、こういう表情を誰かにさせられるんなら、恋もいいなぁ、と思ったものです。


余談ですが、この物語で実は一番のお気に入りはとばりと久志の息子の聖くん。
8歳ですが、自ら選択して祖母の家に身を置き、両親を名前呼びして距離を置こうとしているところが、これまた自分とかぶって・・・!
ウン、いろいろと共感した部分の多い物語でした。


ラストは、ありがちだけど、案外意外なハッピーエンドでした。
ずっと恋愛できなかったとばりさんも、恋を見付けられた様子だし、良かった良かった。


・・・・・


とまぁ、こうしていろいろ読んで、自分も物語を書くための準備運動をしている感じです。(?)
いきなり長編を書くのがまた尻込み中なので、またまたリハビリのために関連ストーリーのショートショートを書いてます。
次回、アップできるように頑張ります。

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同期とは、トモダチフラグのはじまり ~「マイルノビッチ」(少女まんが)

少女まんが、けっこう読みます。

しかも、アラサーになってから。本当の少女だった時代はまったく読みませんでした。
理由は簡単。お洒落や友情や恋愛に、微塵も興味が無かったから。

きょう、少女まんがの王道ストーリーパターンのひとつである、シンデレラサクセスストーリー系を読みました。
地味少女が、メイクやコンタクトや髪形で変身する、というアレです。
事実はそんな簡単じゃねーよ、ペッと思って基本読まなかった類のあれを、読んでみました。


「マイルノビッチ」 著作:佐藤ざくり

主人公のまいるは女子高生。毒キノコと周りからも避けられて、暗く地味で卑屈でジメジメしたブス子。けど、学園イチの美少年に言われた「ブスを言い訳に使うな」という一言と、男子に落とし穴に落とされたことをきっかけに生まれ変わる決意をして、きれいになって恋をしていく・・・

・・・・という、ある種ありがちなストーリー。
けど、私がこの話の設定でいいな!と思ったところは、その最初に接触した学園の王子と主人公が恋をしないところ。
ふたりは友情を深めていくくけど、あくまでも主人公は別の男子と恋をします。
そして、いろんな人と恋愛をして、恋人になるけど、どの人とも短い!(笑)
イケメン2人に同時に言い寄られて困るシーンとかの描写が、けっこうリアルな心情で書かれていてよかったです。
「まんがとかでこういうシーンよく見たけど、実際なったら全然嬉しくないし、胃が痛くて吐きそう」みたいな感想を主人公が述べてたのが良かった!

まぁ、根暗人生16年だったのに、外見が劇的に変わったとはいえ、超絶卑屈だった子がこんな次々と恋愛できるほど自信もつかなぁ?
とは思いますけどね!(笑)
多少卑屈設定は残っているものの、それよりもけっこう普通の女の子の思考回路にけっこう序盤からなってるしね。
この話読んでて共感したところは、この主人公の卑屈な思考回路でしょうか。


わたしは、昔から人前では結構、自信家で弱みを絶対見せないサバサバ女子、を気取っていて、特に異性の前では割と強気で攻める姿勢とセリフを言う方なんで、同じ見た目ブスでもこの物語の主人公とはけっこう違うタイプです。
よくかまってくる男の子には「何?私の事好きなの?」とか言っちゃう方だし、「好きって言ったらどうする?」って返されたら照れたり一切せずにムスッとした顔で「断る。あんたみたいな子タイプじゃないし」ってあしらってしまいます。
「たいしてかわいくも無いくせに、何でそんな自信?!」みたいに思われているかもしれません。(笑)
でも、内心は結構いつでも卑屈な思考回路です。


マイルノビッチの主人公・まいるも、「こんな私のことなんか好きになってくれるわけないじゃん~」とか「調子に乗ってスミマセン!」とかよく考えているんですが、私がこの子と圧倒的に違うところは、自分を貶めた卑屈じゃなく、相手を信用していない卑屈であるということ。

まいるは、一度は心中で卑屈的に相手を疑っても、それを声に出して本人に言ったりしていない。
ちゃんと全員と向き合っているし、短くてもちゃんと全員お付き合いして相手を見てから結論を出している。
そこが、わたしと違って物語のヒロインとして成立する「女子が憧れる女の子」であるゆえんの「純真でマジメな少女」の要素を持って居る。


わたしの場合はこう。
こういう、私みたいにたいしてかわいくもないオンナに言い寄ってくる男は3種類しかいないと思っているから。
1つは、女と見れば誰にでも声かける、真正の女たらしタイプ。
もう一つは、落としやすそうなちょいブスに声かけてヤれたらいいと思っているタイプ。
最後は、本当に好きなひとに振り向いてもらえないから、代わりになりそうな人を探しているタイプ。

この3パターン以外は絶対にありえない。

そう、喩えば、本当に私の事を好きになったから近付いてきた、みたいな。
そういう方向で考えたことは一度もないし、そもそもそういう考え自体が思い浮かばない。

だから、今まで付き合った人もみなこのどれかだと当てはめていた。
セックスさえできれば満足なんでしょ。
その子の代わりにはなれないよ。
1回ヤれば、飽きて離れてくれるかな。

そんなことを思ってた。

でも、そんなことしてても不毛だし、何より面倒臭いな、と思って、24の時、恋愛自体を放棄した。

それからは、ちょっと言い寄って来たら速攻で門前払い。
告白される前に先手を打って「そんなに毎日連絡して来て、私の事好きなの? わたし、あんたと付き合う気はないよ」と言ってきた。
相手の本当の気持ちなんて、考えなかった。
どうせ、からかってるんだろう、とか、誰かの代わりにしてるんだったらこれで目が覚めるだろう、と思っていたから。

「もし、俺が沢村さんのこと好きだって言ったら、どうしますか?」
この、控えめなセリフを言わせたのは、わたしの態度の所為だ。
このセリフの裏に恋心が潜んでいる可能性なんて、考えたことも無かった。
彼が、どんなに勇気を出して私の家に来たかなんて、考えたことも無かった。



会社の通用門まで迎えに来ていた子も居た。
相談にかこつけて駅で呼び止められて、連絡先を聞かれた。
外でわざとカップルみたいに振る舞ってた彼。
そして最後、妹にするみたいに私の頭を撫でた。4つも年下なのに。


宴会の時、酔った勢いのままみんなの前で「これ飲めたら、僕と付き合ってください!」と言って逃げても逃げても隣の席を確保してこようとした子がいた。
「このあと、ふたりで抜けましょう」「僕の事、遊び人だと思ってるでしょ。確かめてくれたらいいですよ、童貞なんで」などと耳元でずっと言ってくるから、説教したおしてタクシー拾って逃げ帰った。
次の日から彼は、気まずそうにして私とあまりしゃべらなくなった。
たぶん、あのときの彼は、23歳くらいだったと思う。


まだまだ、いっぱいある。
25歳から去年までの6年間、いろんなことがあった。
でも私は誰とも付き合わなかったし、誰とも正面から向き合わなかった。
そういう、気配や空気から、するりするりと、すり抜けて来た。





・・・・・・この人たちがぜんぶ、本気でわたしの事を恋心で見ていたかなんて判らないし、本当に全員、わたしの予想通りの本気じゃないパターンだったのかもしれない。

いまは過ぎたこと。
もう、どうだっていい。
でも、もし本気のセリフだったとしたら、けっこうな数の人を傷付けた。
本気で向き合うこともせず、邪心とみなして蹴散らして笑い飛ばしたり、時には年上の権力で説教までした。

ひとをすきになるって、そういうんじゃ無いでしょ。舐めてるの?


わたしはそう彼らに言ってきた。
言ってきたけど。

違うでしょ。



人を好きになるのって、理屈じゃないんだよ。
何でか、落ちてしまうもんなんだよ。

今考えれば、彼らが私に惚れる要素って、けっこうあったはず。
だって私は、年下だった彼らに親切だった。
仕事が一緒でなくても、調子が悪そうだと必ず声を掛けてた。
それが、ハタチそこそこのとき。みんな、若かった。
それに、比較出来るような女の子が周りに居なかった。

あの時の彼らは、彼らなりに、本気だったかもしれない。



「オネェ、頼まれてたやつ、みんなに連絡しといたけど。明日でいいの?」

オネェ、って。呼び方雑になったな・・・。ってかあたし、あんたの姉じゃないしタメ口だし。
あの時23歳だった彼も、もう28だ。まだ独身だし、女の影も無い。
「はぁ?! あしたじゃねぇよ、昨日だよ! もう期日過ぎてんだよ、早く寄越せ!」
「え?マジ。でも明日ってみんなに言っちゃった。明日まで待ってよ」
「うー、わかった判った。じゃあ明日ね」

業務連絡だけして去って行く彼の後ろ姿に、あ、とわたしは慌てて声を掛ける。

「ナノ! 手伝ってくれてありがとね!」

ナノは振り向かずに、「ん、」と言って軽く右手を上げた。




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東京防災、そのとき私は。

東京防災、という分厚い冊子がポストに入っていました。


単行本サイズの本です。
これは、行政が、都民に漏れなく配っている冊子です。
この冊子には、けっこう衝撃的な文章が書かれています。

日本人なら、誰でも一度は耳にしたことのある防災関連の言葉ですが、敢えてこうやって文字にして書かれると、けっこうグサっとくる言葉です。
そして、大地震発生の瞬間の不安を敢えて煽るようなショートまんがも載っていました。
そこに、こう書かれています。

これは、もしもの物語ではない。
近い将来、確実に現実になる物語である。


・・・・・・・・・・。

判ってたよ!
判ってましたよ!私だって来たくて来たんじゃないよ、東京!
なんだ、これが東京なりの歓迎か!!!
みたいな(笑)

いや、けっこう切羽詰まる内容で、本当に永久保存版でしたよ。
普段の防災対策や、起こってしまったときの行動のとり方、その後の生活の再建の仕方など、けっこう真剣にいろいろ書かれています。
まだ全部読んでないけど、これから通勤電車の中などでちょっとずつ読んでいこう、と思いました。



先週も大田区に震度4の地震があった。けっこうビビった。
昨日は職場の避難訓練があった。
これから私が東京に住むのは何年間か?
たぶん、オリンピックまでは居そうだ。
それまでに地震が起きる確率はかなり高そう。
そしてそのとき、きっと私はまだこの独身寮に住んでいるだろう。

冊子には、家族構成別にいろんな行動パターンが書いている。
ひとり暮らしの場合。
健康な家族で住んでいる場合。
要配慮者がいる家族の場合。
高齢者二人暮らしの場合。
外国人居住者の場合。

安否の確認の仕方。連絡を取らなければならない家族。あなたの大切なひと。守るべき人。
そんなことが、幾度となく書かれている。
死に直面したとき、生きる活力になったのは、大切な人の顔が浮かんだ時でした。
そう、体験談は語っている。

たいせつなひと。
連絡を取らなければならない家族。
安否の連絡をしてくるひと。
──ぜんぶ、無い。


・・・・・・わたし、生きる気力ないかも。



今までの人生で、死に直面しかけたことは何度かある。
その時、わたしはいつも一人だったし、敢えて誰にも連絡を取らなかった。
人生最期の接触者になったら、後味悪いだろうな、と思った。
どうでもいいひとたちの顔を、最期に見たくないな、とも思った。
そして、ひとりで119をダイヤルした。


これは、わたしの生き方の報いだ。


誰も、私の交友関係や家族の連絡先を知らない。
会社も、マンションも、保険会社も。どの申し込みにも、実家や親戚の連絡先は書いていない。
友人や親戚の連絡先も書かなかった。
絶対に、どこからも、足が付かない生活をしてきた。
誰にも頼りたくなかったし、誰も信用してなかったし、これ以上孤独になりたくなかった。

友人や親戚が居ないわけじゃない。
でも、彼らには彼らのたいせつで守るべき人がいて、わたしはその中に居ない。
あくまでも、一歩距離を置いた関係なのだ。
都市直下型地震が来たとして、わたしのことをいの一番に思い浮かべる人は、絶対に居ないのを知っている。
死を、看取るような間柄じゃない。

走馬燈で脳裏に過ぎるような、近しい人を作って来なかった。
たいせつなひとを、つくらないようにしてきたわたしの生き方が悪い。


だから、わたしは里親をやっているのかもしれない。
無条件に誰かに頼られることによって、「自分は生きなきゃいけない」と思えるように。
代わりなんていくらだって居たって、子供の頃に関わった大人の存在感は絶大だって、知っているから。

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「髪切った?」は会話のきっかけか、セクハラ発言か。

「髪切った?」
と、東京の職場ではいろんな人に声掛けられます。

確かに、2週間くらい前に切った気はします。
でも、本人忘れるレベルの僅かな長さしか切ってません。


大阪では50センチくらい切った時も、誰にも話題にも上げられませんでした。
大阪の同僚はどんだけ私に興味ないねん!(笑)
てか、逆に触れられなかったのか?!
みたいな疑問は残りますが、誰にも何も言われないおかげで、奇抜な髪型とかし放題で、調子に乗って斜めカットとかやってました。



しかし!

東京は僅かな変化も見逃さず話題に上げられるので、監視されてるようであまり奇抜な格好は出来ないような……

抑止効果ありますね、声かけ運動。
何の抑止? 青少年なら非行の抑止になりそう。

みんな、あなたを見てますよ。みたいな。



髪はまぁいいとして、嫌なのは顔ですよね。

今日はメイク手抜きですね。寝坊ですか?とか、段々緊張感抜けてノーメイクに近付いてますね、とかも、敢えて声に出さないけど見られてるって考えると恐ろしい…!!


大阪いるときは「こっちも職場の男に興味ないように、誰も私のことなんか見てないし~」と思って、顔も髪も服装も超手抜きでしたけど。
10年間、超手抜きでしたけど。

おおよそ、世の中の社会人女性はしないような格好で、250の単車に跨がって出勤してましたが。


いまは電車通勤、職場もそんな状況、180度生活スタイル変わりました。

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