- 2024/11/25
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現場仕事と仲間のこととか、たまにイデオロギー的なことをつれづれに。 読んだ本、すきな音楽やライブのことだとか。 脈絡無く戯言を書き殴る為の、徒然草。 【2018年、34歳で癌告知受けました。闘病記録つけます】
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私が近頃、長年の構想から重すぎる腰を上げて書き始めたお気に入りの小説作品「カナシミマシン」
どういったストーリーかというと、
小学校高学年ごろから学校に行っていない14歳の家出少年・エンドウが主人公で、暴力と売春と軽犯罪にまみれた生活と、仲間とも友達とも呼べない同士たちとの日常の物語、です。
この話はカンタンに言ってしまうと「不良家出少年たちのアウトローな青春期」。
青春もの・アウトロー・居場所のない孤独感・・・なキーワードが大好物な私の、趣味嗜好を詰め込んだお話なわけですが、いわゆる少年漫画に出てくるような「気持ちよくってかっこいい不良」を書きたいわけではありません。(そういう少年漫画は、それはそれで好物ですが)
昔、私のすぐ隣に居た、友人とも呼べない知人たちの心情と体験を、当時見たTVでやっていた日本のスラム街で暮らす少年たちのドキュメンタリーを重ね合わせながら書けたら、と思い続けていたおはなしなのです。
主人公のエンドウは、チビで女顔で喧嘩が弱くて、いつもへらへら笑っているような男です。
そして、彼ら不良少年たちが暮らすアパートの面子の中では一番年下で一番学のない14歳。
部屋には犯罪業界に片足突っ込んでがっぽり稼いでいる高慢ちきなパク(15)や、触れるものみな破壊する勢いでいかつい顔付きの暴力男シュー(15)や、ギャンブル界で一目置かれている謎多き二枚目のマルさん(17)が住んでいます。
エンドウはそんな中では何もかもが中途半端な存在のはず。やってる金稼ぎはスリや売春。がっつりワルになり切れない、子悪党な、雑魚みたいな感じです。
でも、部屋のまとめ役的存在として書いています。
ここまでは、構想当時の15年前(つまり私が15歳のとき)から決めてた設定です。
で、いま改めてお話をつづるにあたって、新たに考えたことがあります。
それは、エンドウが「部屋の顔」になっている理由。
パクがエンドウを慕う理由、シューが年上なのに弟分に収まっている理由、マルさんが一目置いてくれる理由。
そして、彼らが家を出た、出なければならなかった、本当の理由。
そんな物語の背景を、ノートにつらつらと書き出しながら、彼ら不良少年たちに想いを馳せながら空想しています。今も。
・・・・・
そんなわけで、この本の存在を知って強く惹かれて読み始めました。
ここ半年くらい、私は小説以外のいろんなジャンルの本を読んでいるのですが(小説も読めよ!(笑))、この本はノンフィクションとかドキュメンタリーの類の本だと思います。
先月の半ばごろから読み始めて、昨日読み終えました。
ということで、ちょっと記録を残しておきたくて。↓
「家のない少年たち ~親に望まれなかった少年の容赦なきサバイバル」
鈴木 大介 著
確かに彼らは、生き抜いていた。
詐欺、闇金、美人局、架空請求、強盗――家族や地域から取り残され・虐げられ、居場所を失った少年たちは、底辺の仲間となって社会への「復讐」を開始する。
だが大金を手にしてもなお見つからない、"居場所"。彼らはそれを探し続けるーー。
取材期間10年、語られなかったこの国の最深部を活写する、震撼ノンフィクション。
『モーニング』連載漫画「ギャングース」原案。
この本を読んで一番感じたこと。それは、著者であるライター・鈴木氏の熱い想いです。
彼らのことを、「不良」や「犯罪者」というフィルターではなく、正しく知って欲しい。そして、その背景にある本当の問題に目を向けてほしい。
というような、熱い想いが文章の端々から伝わってきました。
本文中、何度も出てくるフレーズに「犯罪を肯定するつもりはない。彼らは紛れもない犯罪の加害者であり、犯罪が存在する裏側には必ず被害者がいることを忘れてはならない」といった言葉が出てくるのですが、その、著者が本当に伝えたかったことは、充分に伝わってくる本でした。
そして、おそらく「まっとうな大人側」である著者の取材に、なぜ犯罪に両脚を突っ込んでしまっているような少年たちが応じたのか。それはきっと、この著者の熱い想いが彼らに伝わったからだと思います。
この本の中にはあらゆる犯罪市場で暗躍する少年たちや、かつて少年だった若者たちが登場します。
そして、だれもがみな、「居場所」を探しています。
それは、大なり小なり現代人の誰もが一度は悩む悩みと共通していると思います。
何も特別なことなんかじゃない。居場所、帰る場所。それは大人も子供も等しく誰もが一番求めているものだと思います。
そして、被害者のことなんて全然思いやっている余裕もないような彼らが、愛する女性と出会って更生していくパターンも書かれています。
当たり前のことですけど、こういうのは何も物語の中の作り話なんかじゃなくって、ほんとうに起こりうる事実なのですよね。
自分が本当に大事にしたいと思えるものに出会ったとき、人は更生することが出来るんだな。
人間、まだ捨てたもんじゃないな。って思えます。
もちろん、その「愛」に、誰もかれも全員が出会えるわけでは無いのですが。
それでも、この本の中に出てくる少年たちの何人かが、犯罪に手を染めながらも、足を洗ってこの人を幸せにしたい、と思えるような恋や愛に出会えたことは素晴らしいなぁ、と思いました。
・・・ちなみに、この本の大半はこんな生ぬるい美談ばかりを書いているわけではありません。
私が、その部分に感動を覚えた、というだけの話しです。
ところで。
この本の中心に書かれている龍真という少年と、その仲間たち3人がいるのですが。
4人組の犯罪グループのリーダーである龍真はメンバーで一番小柄で喧嘩も強くない。でも彼の口にした言葉は「俺は自分が最弱であることを知っている」というようなことを言うのです。
著者も、ここまで自分のかっこ悪い過去もぜんぶ語ってくれた少年は珍しい、といったようなことを書かれていましたが、龍真の歩んだ人生は世間一般から見れば壮絶で、でも彼ら箱の中の少年たちから見ればありふれていて、そしてまだこっち側の世界に戻れる手綱があったのにその手を振り切って走ってしまったような、そんな少年が書かれています。
彼が「カナシミマシン」のエンドウとちょっとかぶっていてびっくりしました。
え? かぶっているのは4人組の中で一番小柄で喧嘩も弱い人物がリーダー的存在だ、という部分だけですが。(笑)
・・・・・・
私も、過去にいろんな知人・友人からあらゆる「武勇伝とは言えない過去」の話を聞いた経験があります。
彼ら一人一人の人生は、ものがたりとして綴ってしまえば泥沼すぎて、胡散臭くて、真実よりも嘘くさく感じられるような人物ばかりでした。
どうもがいても救いようがなく、世間一般に「戻る」術がなく、世の中は不公平で、この平成の世でこんなに底辺で抜け出す道筋もなく腐敗している人たちがいることなんて、選挙資金を調達できてしまうような政治家には一生伝わらないんだろうな。
なんてことも、しばしば思います。
手の届く範囲のひと、目に映る範囲のひとすら、救うことなんて私にはできません。
でも、話をしてくれた彼らが、私の言葉のどこかに感銘を感じて話してくれたこと。それでお互いの存在意義に意味があったのだということは事実なので、私は彼らと、その事を、忘れないようにこれからも生きて行こうと思います。
腐らずに。
髪を切ってまいりました。
今、帰りのミスドにPCを持ち込んでちまちまとこの記録を書いてます。
一度短くしてしまうとアレですね。もう中途半端な長さの間が耐えられないですね。
伸びてしまえば縛ったり出来るから楽になるんですが、肩に届くか届かないかくらいの長さの間が中途半端で耐えられません。
すぐ切ってしまいます。特に伸ばしているわけでは無いのですが、すぐ切る所為であまりいろんな髪型に挑戦出来ません。
まぁ、すべての基準はヘルメット脱いだ時になるべくヘンな型が付かない髪型が理想なんですが。(オシャレ全く関係ない理念・・・)
と言うことで、今日は1~2月で読んだ小説の紹介(記録)です。
私は基本、現代ものの小説が好きで、ファンタジー物をほぼ読まないのですが、実に数年ぶり(数十年ぶり?)にファンタジー小説を手に取りました。
きっかけは特になく、たまたまでした。
(以下、少々ネタバレありなので注意してください。)
黄泉坂案内人
仁木 英之 (著)
タクシー運転手の速人が迷い込んだのは、この世とあのよの狭間を漂う入日村という不思議な村。そこで会った少女・彩葉と共に、速人は迷える魂の「未練」を解く仕事を始めるが……。心にしみこむ物語!
年末にガラポンで当てた金券が余っていたので本屋で見かけて衝動買いした小説です。
たしか、本屋のランキングの棚に並んでいたので、割と売れてる作品なんでしょうか?
何に惹かれたのかというと、漢字だらけのタイトルと可愛い妖怪のイラストにタクシー運転手の主人公×少女、というところでしょうか・・・。
三人称で描かれる小説というのはたくさんあるわけですが、私はちょっと苦手なのかもしれない、というのがこの小説を読み始めた最初の方に思ったことです。
理由は、主人公がちょっと中年に差し掛かった男性で妻子持ち、職を失い妻に逃げられ・・・といった私が共感しにくい設定、というのもあったんだと思いますが、このお話の設定で「ナトリという妖怪に名を奪われる」というシーンが割と序盤にやってくるのです。
主人公の速人はナトリにさっそく名を奪われてしまい、「この世」で自分の存在が消えてしまい居場所を失くしてしまうんですが・・・三人称で描かれている地の文章ではずっと「速人」と彼のことを呼んでいるんです!!!
もー、私はそこが気になって気になって、世界観に入り込むタイミングを失敗してしまいました。(笑)
そんな細かい事気にせずストーリー展開に集中しろよ!って思われるかもしれませんが、終始そのことが気になって集中できず・・・クライマックス間近まで来てしまいました(笑)
このお話は何話か分に分かれていて、大筋の流れに沿って物語は進んでいるんですが、連作のような感じで各話毎に違う中心人物が出て来て、主人公たちが彼らに関わって彼らを救っていく・・・というパターンなんです。
そのパターンを3回も繰り返したら、読者としては勝手に次の展開や終焉の迎え方を予想しながら読んでいくことになります。
半分ぐらい読んだところで、私は「どうせ主人公はこの不思議な世界での仕事を終えて、彩葉ちゃんの協力でナトリに奪われた名も返してもらって、この世に戻って来るんだろうな。そんでもって、逃げられた妻と子も戻ってきてめでたしめでたし・・・というエンドを迎えるんだろう。先が読めるわー」と、舐めきった態度で読み進めていました。
が!
その舐めた展開はことごとく裏切られ、最後は意外な結末に。
本当に、本当に意外過ぎる展開が持ってこられました・・・!
完全に騙された! やられた! 作者め!(いや、誰も騙してないよ・・・)
誰がこんな終焉を予想したでしょう。
作者はこの展開を通して、何が言いたかったんだろう?
速人は、何処に希望を見出せばいいんだろう・・・。
そんなことを考えさせられた、ラストでした。
この終焉の迎え方、鈴木清剛・著の青春小説『男の子 女の子』を思い出します。
『男の子 女の子』も、予想もしなかった人物が突然の展開を見せて最後はプツリ、と終わるのです。
まるで、平凡で淡々とした幸せに甘んじていてはいけない、と言われているかのように。
淡々と、パターンを踏んで繰り返されていく日常の展開。
最後はそのまま、典型例を踏んで穏やかな形で終わるだろうと読者に思わせておいて、まさかの不意打ちの空虚。
そう、空虚感です、これは。
時の魔女アイリス
高瀬 涼(著)
何かを忘れたい、魔女に会いたいと願えば訪れることのできる『忘却の館』
そこにいるのは美人だがどこかだらしない眠たげな目の魔女と彼女に惚れているという青年スペル。
魔女、アイリスはその人が忘れたいと願う過去を自分の中に移すことができるがそれは同時に自分の中に嫌な過去を持つことになる。それでも彼女は人の過去を背負っていく。『忘却の館』からは 一歩も出ることができないアイリス。人の苦い記憶を除くことだけがこの館にいる時の仕事だ。
このお話はネット作家さんである高瀬涼さんの作品。
私は高瀬さんと創作仲間として親しくさせていただいています♪
この作品は高瀬さんのサイトでも公開されていますが、私は秋に一緒にイベントに出店した際に紙の製本にしたものを購入したので、そちらで読みました。
私、ファンタジー物を普段読まない人なんですが、その理由のひとつに「世界観に着いて行けなくなる恐れがあるから」というのがあります。
お芝居でも映画でも小説でも、ファンタジー作品、となると観る前にちょっと構えてしまうところがあるのですね。果たして私の好みの世界観かどうか? 展開が、読者を置き去りにして勝手に盛り上がって行かないかどうか? ・・・みたいな。
結論から言うと、このお話・・・というか設定、かなりグッと来ました。
好みの設定とか云々ではなく、グッと来たんですね。
イメージとしては西洋的な登場人物にそちらの国の童話の中のような風景がふんだんに出て来て、異世界感はたっぷりなんですが、物語のテーマが人の心の内面を静かに、静かに描いている物なので、そちらに引き込まれて読ませてくれました。
異国のおとぎ話の中に出てくるような美しい容姿の魔女が常に物憂げな眸を携えて、広く暗い森の中のお屋敷で、苦悩する人々の記憶を奪うという静かな魔法を、口付けという方法で使うのです。
それも、降り積もる雨の音の中。
その様子は情緒的で、とても美しく、そして哀しみに満ちています。
そんな彼女に関わって来る青年スペルと、少女リリー。このふたりが、ただ悲しいだけの物語ではなく、ストーリーと物憂げな魔女に安らぎを与えています。
この作品もたまたま先述の『黄泉坂案内人』みたいに連作のような形を取っていて、各話のゲスト登場人物に主人公たちが関わって、救ってあげて・・・という展開を毎度行いながら話が緩やかに進みます。
製本の方はサイトで公開されている第一章の部分をまとめたものでしたが、静かに流れるとも流れない止まった時の中で過ごす彼らが淡々と描かれているかと思いきや、後半になって急激に、物語は予想外の展開に転がって行きます。
謎は謎のままでいいのかな、と思っていたあれやこれやが少しずつ片鱗を見せ始めて、そして二章へ続きます。
・・・これは気になる!!!
まだ二章は読んでないのですが、今後楽しみに読みたいと思いました。
気になった方は、高瀬さんのサイトで読めますので、ぜひ! →『猫の独言』
個人的に気に入ったのは、雨のシーンが美しく意味ありげに描かれていたこと。
実は私、現実でも雨がすきなんですが、物語でもやっぱり雨のシーンが印象的に描かれているのは大好物なので、ポイント高かったです(笑)
タイトルに「雨」って単語が入ってたりしたらとりあえず迷わず買う方です。
いろいろ読んでみるのもいいですね! 普段、刺激されない感性が刺激されます。(*´▽`*)
連続でファンタジー作品に触れた所為で、自分でも15年ぶりくらいにファンタジー作品を描きたい衝動に駆られてしまいました。(笑)
単純。