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りそうのせかい改

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人生の残り時間は案外少ない/わたしの隣の狐系男子。

新年、あけました。
ぼちぼち、のんびりやっているこのブログやサイトですけど、私が長い間放置している間にも日々数名のカウントが回っており、覗きに来て下さる方がいるのだなぁ、と思い、感謝です。

今年の年越しはいつになく世間一般的な休みがありました。
31、1、2、の3日間が休みという。
素晴らしい。正月的!

というのも、12月半ばからとあるプロジェクトのメンバーに抜擢(?)され、プチOLになりまして。オフィスでPCに向かう毎日なのですよ。
油に塗れた作業着生活とちょっとの間だけお別れ中です。
そんなオフィス階の勤務はシフト勤務では無いので、カレンダー通りに休みがやってきます。

まぁ、本職のみなさんは29~3日まで休まれてましたが、我々にわかオフィス業務の人間にも31~2日は休みが貰えた次第です。

この3日間は非常に有意義な年末年始らしい、慌ただしくも充実した休暇を過ごしました。
【31日】
新天地で出会ったライブ仲間な同期・水色くん(仮)たちと、幕張メッセにてカウントダウンジャパンに参戦。
【1日】
東京に住む幼馴染を家に呼んで、おせちと筑前煮を突きながら神戸の大吟醸・福寿を開ける。
【2日】
日本一混む?と噂の明治神宮へ着物を着て初詣。
とまあ、こんな感じなんですが、詳しく書くと長くなるので割愛して、しょうもない話を新年からしたいと思います。


日常のちょっとした楽しみと潤いのために、眺めるだけで癒される好みの異性、という人物がいる人も、多いと思います。
わたしは大阪時代に何人か居たのですが、転勤で東京に来てからはあまり見付けられず、日常業務の潤いがないな~!なんて思ってました。

が!!!

このオフィスレディになってから、隣の席に座った同じプロジェクトメンバーの男の子が、以前から密かなお気に入り君として私の胸中で君臨していたキツネくん(仮)だったのです!!!

以前から、というのは大阪時代は隣の職場にいらっしゃったという訳なんですが、まったく喋ったこともなく、接点がなさ過ぎてよく知らなかった彼。
一体なぜお気に入りになったのかと言いますと、その無表情さと鋭いキツネ目と、中肉中背の体格と、5つくらい後輩だけど年は1歳違いのオーバー30ってところでしょうか。。。
もうかれこれ3年ほど前から密かな心のアイドルだったので、そんな彼と同じプロジェクトメンバーとして喋れる機会がやって来たというのは棚ぼたもんです!

で、実際日々隣の席に座ってから気付いたキツネくんの特徴。


ああ~!! とか、なんやねんコレ! とかの独り言多い。
咳払いがマジおっさんくさい。
スマホ持ってない。ガラケー族。
独り言に返答したときの苦笑いの対応。
喋りかけると、普段の無表情が崩れてけっこうお喋りになる。


・・・・・なんか、似てるのよね、あの子に。
ミケっぽい。
すごくミケに似てる!!


そんなこんなで、隣の席でぷふふな、プチ気分上々な日々を送っているわたくしです。
あと残り10日ほどのプロジェクト、存分に楽しんで、そんでちょっと仲良くなれたらいいなぁ♪


ところで、アイドルやスターの追っかけをやっているひとを時々羨ましく思う訳ですが。
そんなに熱心にはまれるモノ(ひと)がいていいなぁ~さぞ人生楽しいだろうな~と。

でもよく考えたら、わたしも追っかけようと思えば出来なくもない、すきな人(たち)がいます。
わたしはパンクロックが好きで、お気に入りのバンドのライブやフェスには結構通っているんですが、バンドなんで曲に集中していて、そのメンバーの誰かのファン!!ってわけでは無かったんですよ。

でも最近、せっかくライブに足を運んでるんだから、曲だけじゃなくてひとにも目を向けてみよう!!と思った次第です。
ちょっとムリクリっぽいですが、お気に入りのメンズを好きなバンドの中から見繕ってみよう!と。
そこで、よくライブに足を運ぶ3バンドから考えてみました。

   
左から、PANSABOTEN四星球、です。(オフィシャルアーティスト写真から拝借。)

PANだと、中央右にいるドラムのよこしんくん、SABOTENだと左のベースのヤッソーさん、四星球だと右から2番目のドラムのモリスくんだなぁ~・・・と考えたところで思ったのですが・・・。

ん?
なんか私、好きな楽器で選んでる??
バンド編成だとボーカルやギターよりも、ドラムやベースに目が行く方なんですよ。
でもでも、PANのボーカル川さんのしゃべくり倒しなトークは好きですし、SABOTENのボーカル・キヨシさんの流石先生やってるだけある!と納得してしまうちょっと説教くさくてでも熱い名言の数々は大好きですし、四星球のボーカル康雄くんの関西人ばりの自然な笑いを取る喋り倒しも大大大好きなんですよ。
やっぱMCはボーカルが取るしね!

んー、でもそれぞれファンになったきっかけのライブはありまして、その時に見た笑顔が最高にツボだったとか、MCに横槍入れた一言に心奪われたとか、メンバーの語るエピソードにキュンときたとか、あるわけです。(ただ小太りな体型に惹かれただけの気もする人もいるけど。)

ちなみに、リアルでも私は同年代のちょい年下男子が好きなわけですが、調べてみると、よこしんくんとモリスくんは1~2歳のちょい下でした。
でもヤッソーさんは今年は年男宣言されてたので、8つ上でしょうかね??
ちょっと意外! SABOTENはちょい年上の兄貴的イメージだったので。
たぶん、キヨシさんがそうなんだろうなぁ。三十路祝いしてたライブのとき、わたしは20代半ばでした。



・・・・・・そんなこんなで、誰得?な好みのタイプ分析でした。


本来なら、新年の抱負とか書くところなんですけどね。
それは来週、書初めをやる予定なんで、そこで改めて記したいと思います。
自分の備忘録なんで、このブログ。(笑)



最後に。
タイトルの「人生の残り時間は案外少ない」ってのは、年明け早々、今年の抱負を考えていたときに、到底1年間ではやりきれない量の「やりたいこと」が次々と思いついてしまい、このままやりたいことだけやってていいのか? やらなければならないことがもっとあるのではないか?? なんてちょっと悶々とした経緯で書きました。

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似合う似合わないじゃなくて、したい恰好をしてみようか。

どうも。
生きてましたけど、11月下旬からの風邪をきっかけに喘息のようなものを発症して日々辛いです。去年の12月5日の31歳の誕生日から正月まで続いたヤツと酷似です。
(てかたぶん喘息。しかし子供の頃病院に掛かったことがなかったせいでこの年まで気付かなかった・・・)


そんなこんなしてる間に、超年下男子とレンアイごっこしてみたり、32歳の誕生日を天王寺のプチリッチホテルで30代独女らしくエステとカクテルサービス付きプランで迎えてみたり、いろいろしてました。ハイ。
しかしその間に体調も崩して、なかなか治らないっていうね。コレ。


で、ぜんぜん関係の無い話題なんですが、ちょっとふと思ったこと。


みなさん、服やバックや靴など、何を基準に選んでいますか?


わたしは今まで、自分に似合うものを選んでいました。
自分のキャラや体型や顔付きなど(+少しばかり年齢も意識)総合して「こういうタイプの30over女はこんな感じのコーデだろう」的なものを選んでいました。

ちょっと具体的にどういうスタイルかと言えば、シンプルだけどちょっとかわいい系、って服装をずっとしてきました。
ふわふわ、ひらひら、のかわいい系は苦手なので、スッキリしたシルエットだけど、美人系とかコンサバ系とかではなく、ギャルやゴスロリや森ガール系とかでも当然なく、ちょっとかわいい系。

しかし!

自分が気になる・・・というか、憧れる、雑誌などでついつい目の行く30代女性像はけっこう違うのです!
それも、かなり以前から!!!
はっきしいって、美人系とかコンサバ系のモデルさんのスタイルやメイクの方が憧れるのです・・・!(>_<)

このギャップを埋めるにはどうしたら・・・でも試着してみてもなんだか自分には似合わない・・・。

で、結局いつもの「ちょいかわいい系」を買ってしまうハメに。

これはこれで、安定の自分スタイルで安心するのですが、本当に着たい服・鞄・靴ではないので
ちょっと微妙な気分・・・。


で、試着したときに「なんか似合わない・・・」と感じる原因って、アレ、何なんでしょうか?

もしかして、そういう服装の自分を見慣れてないだけ?

メイクや髪形、今持ってる他のアイテムが合ってないから??



今日、「ダメな私に恋してください」(著 中原アヤ)を読んでても思った服装のこと。
この扉絵の真ん中のふたりの30代女子のどっちのタイプに憧れるかというと、断然右にいる晶姐さんなんですけど、普段の私はどちらかと聞かれれば確実に左にいる主人公のミチコちゃんタイプです。
なんかこのマンガのイラスト見ただけで、「やりたい服装とけっこう違う恰好ずっとしてるな、私・・・」と物思いにふけりました。(笑)



・・・ちょっと、今度は本当になりたい自分のスタイルになってみようかなーーー。
(これ、春にも同じようなこと言ってた気がしますが。)

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Little boy of telephone

やばい。
 非常にヤバイ。何がヤバイのかって、おれの下半身が非常にヤバイことになっているんだってば。
 だってもう二十一時だ。休みの日に朝の九時半に起きてからこの時間まで、布団の中から一歩も出ていない。一歩も出ずに、ずっと日長、右手でアレをしごいてた。スマートフォン片手に、たまにアダルト動画を見ながら妄想して、妄想に飽きたらまた新作エロ画像検索して、ひたすらヌいた。
 さすがにね、こう一日中オナニーしてたらね、精子もあれですよ。水っぽくなるどころか、ちょっと粉っぽくなってくるからね。最初はこれ、何だ、病気なんじゃないのか、俺のムスコが壊れた。怖い。病院行きたいけど恥ずかしくて言えない。自慰行為しすぎで発症なんて。なんて思ってたのに、最近じゃもう慣れたからね。あー、今日はちょっとしすぎたなー。くらいにしか思わなくなってきたからね。
 ただ、ヤバイのはここ一年半くらい、生身の女の子に触れてないことで溜まり溜まった欲求がヤバイわけで。大学時代なら、人見知りのおれでも多少は女の子と話したり仲良くなったりする機会もあったものの、当時の彼女と別れてしまってから働き出してここ一年、まったく女性との接点がなくなった。なんなの、これ。みんなどうやって彼女作ってんの。たまに会社の同僚に合コンに誘われることはあるけど、あのヘンなノリに馴染めない。知らない上に好みでもない女性と、仲良くなるフリをするのが辛い。早く抜けてラーメンでも食いに行きたい。そもそもお酒だって強くないから、さらにその場を楽しむことができないし。
 で、今。グーグル先生に尋ねているのはこれだ。
 セフレ、作り方。
 なんかいっぱい出てくる。胡散臭い男の体験談がうじゃうじゃと。官能小説ばりの体験談をつづるブログが散見されるが、で、結局みなさんネットで知り合うわけでしょ。ネットの出会い系サイトで知り合うわけでしょ。おれはね、その結果じゃなくて、知り合う過程のノウハウが知りたいの。けど、そういうの探してると出てくるんだよ。タダで見知らぬ男とセックスしてくれる女性はまず居ません。お礼は用意して交渉するところから始めましょう。って。それだと、風俗と同じじゃん。なんか違う。なんかこう、もっと、あれが欲しいんだよ。あれが。ラブっていうか、ラブっぽいことというか。限られた時間と上乗せするお金でしか保てない関係じゃなくて。甘い雰囲気の中、おれのこと慕ってくれる女の子と、キスしたいんだよ。そういう子を、この手で抱きしめたいの。
 でも、もう彼女は欲しくない。クリスマスとか、記念日とか。週に二回時間作ってデートしたり、マメに連絡取り合わないと、わたしたち付き合ってるんだよね、とかいちいち確認されてしまったり、そーいうのはもう疲れた。
 だから、セフレが欲しい。でも愛がまったくないのもイヤ。でもセックスがしたい。その堂々巡りだ。クソッ。
「……いちゃいちゃしたいです。経験少なくて自信ないので、上手くできなくても許してくれる年上のひとがいいかな」
 ネット上をいろいろ見て回った結果、一番手っ取り早くてお手軽だった伝言ダイヤルに電話して録音を残した。平成ももう二十七年。完全に昭和の産物だと思っていた、テレクラだ。
 本当に、こんなので女の子が引っ掛かるんだろうか。年上がいいって言ったけど、五十路くらいのおばさんが来たらどうしよう。いくつくらいまでなら許容だろうか。やっぱり、どんなに行ってても二十代がいいかな。話が盛り上がって会うことになったら、すごい長身だったらどうしよう。おれ、身長無いのに、そうなったら恥ずかしい。もし、デブだったら。もし、すごいブスだったら。
 と、いきなり呼び出し音が鳴った。鳴った。本当に。かかってきた。
 え、マジで。どうしよう。
「も、もしもし。」
 わ、噛んだ。
「……もしもし」
 ちょっと低いトーンの女性の声。なんか、本物っぽい。わざとらしいバリバリ女の子の声、って感じじゃないところが、サクラじゃなさそう。
「はじめまして、よろしくお願いします」
「よろしくお願いします」
「か、掛けてくれて、ありがとうございます」
 また噛んだ。けど、とりあえず、掴みはオッケーだ。挨拶は交わせた。
 いちゃいちゃしたい。女性に触りたい。キスして頭を撫でたい。セックス、したい。
 そんな単語を飲み込んで、ひとまず当たり障りのない会話をする。彼女は、三十一歳の独身で、ハルさんと言う。彼氏は、長年いないらしい。おれは、二十一歳の社会人一年目、ってことにした。ことにした、というのは、もちろんウソだから。若く言っておけば、失敗しても多めに見てもらえる。本当のことを言って、自尊心を傷付けられたくなかった。
 いちゃいちゃしたい。経験少なくて。の伝言を聞いて掛けてくれたひとのはずなんだから、それがどういうことかなんて判ってそうなはずなのに、彼女はまったくエロの話題にも恋愛の話題にも触れようとしなかった。いや、そういうのは、おれの方から話題提供するべきだったのかもしれないけれど、これはこれで、意外と楽しい。
「あ、もう四時間近く経ってる。そろそろ、切るね」
「え、ウソっ。もうそんな時間、」
 本当に、あっという間の四時間だった。最初、三十代か、けっこうな年上だな。とか、エロい会話になぜか持って行けないなぁ。ということに気を取られていたけど、いつの間にか会話が弾んで、もっと彼女としゃべっていたくなった。いや、むしろ、会ってみたい。
「あのっ。おれと、会って貰えませんか」
 童顔で、二十歳前後にしか見られなくて、背が低くて、女の子にはいつもカワイイとしか言われなかったおれだけど。こんだけ年上のお姉さんになら、たとえカワイイと言われても別に自尊心は傷つかないだろう。それに、こんなに女の子との会話が弾んだのは、久しぶりだ。一回くらい、うんと年上の女性に遊ばれてみるのもいいかもしれない。いや、彼女なら、そんなに悪いことにはしないだろう。だって現に。電話だけだけど、ちょっと好きになりかけてる。
「いいよ」
 嫌がるそぶりも見せず、快諾の返事を貰えた。やった。運が、向いてきたのかも。

 で。当日が近づくにつれ、いろいろと不安なことが出てきた。
 ハルさん、身長何センチだろう。おれの方がすごいチビだったらどうしよう。ただでさえめちゃくちゃ年下なのに、身長まで負けてたら、どこに自信持って接すればいいんだろう。一目見て、無いわ。って顔されたら。ただでさえ年下なのに、更におれは童顔で二十歳にすら見えるか怪しいし。完全コドモ扱いされたら立ち直れないかも。
 それに、逆に彼女が許容できないくらいの不美人だったら。ぽっちゃりを通り越した激太りだったら。
『もうすぐ待ち合わせの駅に着くよ』
 メールが来る。どうしよう。どうしよう。
「ソンくん、かな」
 肩をトン、とされた。
 来た。ハルさんだ。ハルさんの声だ。
 心臓が、割れるほど高鳴った。平静を、装わなきゃ。
 覚悟を決めろ。おれは男なんだから、彼女がどんなにブスでデブでも、せめて今日だけは、女性として立派に接してみせる。絶対に、嫌な顔はしないし、させない。 
 そう、固く決意して。振り返ると、小柄な女性が立っていた。黒の千鳥柄のワンピースが、ふわりと揺れて、ちょっと膝が見える。
「ごめんなさい」
 開口一番、おれは頭を下げた。
 ハルさんは、おれよりも小さくて、細くて、ふつうに可愛らしい、女の子だった。テンションが一気に上がる。それと同時に、ものすごい罪悪感も込み上がった。
「おれ、実は嘘ついてました。本当は、二十四歳なんです。こんなんだから、いろいろと情けなくて……」
「あ、そうなんだー」
 おれの渾身の謝罪を、彼女は軽ーく交わした。
「…え、怒んないんですか。信用、ならないでしょ。こんな男」
「んー、電話の時になんとなく気付いてたし、今言ってくれたから、別にいいよ。それよりも、わたしもキミに言いたいことあって来たの」
「ハイ、何でしょう」
「わたし、やっぱりソンくんの相手にはなれないよ。キミみたいに若い子、振り回すわけにはいかないなぁって、冷静になって思い直したのよね。だってわたし、自分のためにセックスしたかったの。若い子と肌を合わせれば、肌ツヤ良くなって、自分も若くいられるんじゃないかなーって、安易に考えてたから」
「おれだってそうです。いや、むしろ自分のためにしてください。おれを、利用してください」
 いきなり別れ話を切り出された気分だ。
 はい、そうですか。とは引き下がれない。もう。テレクラで、会話の途中でパスされた時とは違う。おれは、ハルさんと一緒にいたい。ハルさんを抱きしめたい。ハルさんに、キスしたい。
「判ってないなぁ、キミ。セックスって、してしまったら男の子の方が気持ち持っていかれちゃうものなんだよ」
「だいじょうぶです。もう、持っていかれてますから」
 え。と言って、彼女は柔らかく笑った。
「ソンくん、ぜんぜん大丈夫じゃないよ。わたしたちが出会ったのは、お手軽出会い系の、テレクラ」
「出会い系なんですか、あれ。だって、いろんな話、いっぱいしたし。会ってえっちするだけの感じじゃなかったですよ」
「まぁ。流石にわたしだって、見ず知らずのひととはえっちしたくないよ。多少、情がないと」
 情。これ、なんて訳そう。ラブ、って変換しててもいいかな。
 おれの中だけで、勝手に。
「あの。ダメですか、おれじゃ。男には、見て貰えませんか」
「何言ってるの、男だよ。ソンくん、なかなかかっこいいよ。気付いてないの、さっきのキザなせりふ」
「え……」
 どれ。なんか言ったっけ、おれ。
 思い返しても、基本情けないことしか発言してなかったような気がするんだけど。
 けど。かっこいいって、初めて言われた。大人の、女性に。
 この人といると、あぶないかも。
 ほんとうに、持っていかれそうだ。
 夜の街。駅の改札口から、ちょっと外れた柱の陰。
 おれは、変態の顔がにやけない様に必死でこらえた。

 

 

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straying

けど、何も感じない。
 声も出ない。やっぱり、こんなやり方じゃダメだったんだろうか。それとも、わたしの機能が枯れてしまっただけだろうか。相手が違ったら、気持ちよくなれただろうか。喩えばもっと経験豊富な、プロの方とかだったら。
「ごめんねぇ。反応出来んくて」
 わたしの胸に顔を埋めていたシュウジくんが、布団から頭を出す。
「声が出ぇへんってこと、」
「うん、まぁ」
「痛い、」
「痛くないよ」
「気持ちいい、」
「少しは」
「ならええよ。おれ、声出す子キライ。ずっとおっぱい触ってたいから」
 その言葉通り、彼はずっとわたしの胸を弄っていた。息も乱さず、出会った瞬間と同じ低めのテンションのままで。
 わたしが彼のことについて知っているのは、三つ。シュウジっていう名前と、年齢が二十五歳ってこと、あとは同郷出身者ってことだけ。それは、向こうも同じだ。名前と年齢と喋り方で判る、出身地。それ以外、何も知らないし、興味も無い。
「もう九時やで、そろそろ出よ」
 シャワーを浴び直して服を着替えた彼が、振り向きもせず言った。手には、鞄と部屋のキー。
「待って」
「ん、」
 振り返った彼の口端に、軽くキスをする。少し背伸びをして届く距離感が、ちょっといいな、と思う。すると急にシュウジくんの腕が伸びて来て、抱きすくめられた。貪るように、唇に吸い付かれる。舌先が差し込まれて、息を吐く間も与えられないくらいの、口付け。彼の、呼吸が乱れる。
「どうしたん、急に」
「だって、待って、って言われたから」
 にっと、彼が笑った。笑うと、年相応の無邪気な男の子に見える。
「朝ごはん、食べに行こっか」
「え、うん」
 ここで解散じゃ、ないんだ。予想を裏切られて、わたしは戸惑いながら彼の後を追った。なんか、ヘンな感じだ。朝の、新宿。大勢の人が行き交う中、わたしたちは手も繋がず歩く。駅前に見付けたカフェでモーニングを食べて、好きな小説の話をして、それから隣にあった本屋さんに入ると、彼はオススメしてくれたミステリーをふたつ買ってくれた。代わりにわたしも、昔読んだ好きな青春小説をふたつ買って交換する。
「きょうは、ありがとね」
「ありがとうなんて言われること、おれしてへんけど。ホテルだって奢って貰ったし」
「ええんよー。わたし、うんと年上なんやから」
 そう言って、彼の腕を叩く。人混みの中を歩いていると、JRの改札口まで来た。
「じゃあ、ここで。おれ、メトロだから」
「はぁい。じゃあね、バイバイ」
「気を付けて帰れよ、またな」
 またな、か。
 正直わたしは、もう会うつもりも無かったんだけど。向こうだって、たいして楽しんでる様子もなかったのに。別れ際の、社交辞令だろうか。男の子って、結構律儀なんだな。
 こんなことを言ったら、友人にはドン引きされるだろう。一緒に寝ても、キスをしても、ひとつも感情が動かないなんて、友達には知られたくない。わたしは、この冷めた感情回路をどうにかしたいのだ。
 恋がしたい。
 誰か、わたしの心と身体に火を点けて。そのための、まどろっこしい出会いの手順を踏まないから、いけないんだろうなと判っているけど。けど、もうそんな体力、残っていないの。こんな無意味なことを繰り返している内に、来週で三十五歳になってしまう。
 お手軽に出会っても、うんと若い子と一緒にいれば多少はときめきくらい得られるかと思ったのに。そんな感情、もう枯れてしまったみたいだ。
 いや、こんなことしてるから枯れてしまったのかもしれない。このまま、ときめきの感情が枯れてしまわないようにと思って始めたことなのに。本末転倒だ。お手軽なものには、お手軽なときめきしか内在していないっていう、証明なのかもしれない。でも、やっぱりいつかは。



 恋がしたい。

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誰かのために生きたいし、生きてることで誰かに喜んで貰いたい。

人生についての悩みというものは付き物で、どんなに順風満帆に見える人でも時には悩んでいるものだと思う。

けどこれは、お一人様のなせるわざなのか。はたまた孤独の成せるわざなのか。

人生の路頭に迷っている瞬間が、やけに多い。
そんな、気がする。

生きている意味なんか探したって、しょうがない。
ひとは、死ぬまで生きるしかない。
誰かの為に、なんて大それた理由なんかなくたって、死ぬだけで地域住民にすら迷惑がかかるんだから、とりあえず生きておけば文句はないのだ。

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